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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 心魂盟奴 〜ソウルメイド〜 ( No.7 )
- 日時: 2016/02/24 16:29
- 名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: /ReVjAdg)
6
昏い帳、まるで棺桶の蓋のような重い両の目蓋が開く。
突如開け放たれた隙間から眩しいばかりの陽光が射し込んでくる。
「————な、なんだ!? いきなり起き上がったぞ!!」
ザワザワと煩わしい耳障りな男どもの雑多な声が聞こえる。
「ちっ、騒がれるとめんどくせえな。とっとと犯っちまおうぜ」
徐々にクリアになる思考、今現状置かれている状況が解る。
数人の汚らしい男たちが俺の周りを囲んでいる。
こいつらか、婦女子に狼藉を働こうとする輩は。
徐々にクリアになる視界、鮮明に映る光景が広がる。
こいつらの身なり、完全に山賊のそれだ。
よく見れば剣や斧で武装している。
うん、間違いなく凶悪な悪党だ。
しかし、違和感を感じる。
妙な視線を。
この男たちの俺を見る眼が。
ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべて俺を見ている。
この視線は、そう・・・あれだ。
「この女、たまらねえイイ身体つきしてやがる・・・へへへ」
髭面に涎をたらす不細工な小男。
「ああ、改めて見ると、むしゃぶりつきたくなるぜ」
それに呼応して頷き返す太った豚と見間違うデブ男。
それぞれ下卑た笑みを並べている。
俺も男だから解る。
女性に対して向けるどうしようもない下衆な感情だ。
その欲望めいた期待、それを何故俺に向ける?
ちょっと待て。
あれ?
そもそも俺は、どうして————
『ターゲット捕捉、殲滅対象を確認。これより自動戦闘に移ります』
これ、俺か?
・・・俺の声ってこんなに高かったか?
まるで女の声のような・・・。
俺の思考は俺自身の口から発せられた言葉と同時に再び途絶えた。
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