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- Re: 【戦国】殿と家臣と【短編集】 ( No.22 )
- 日時: 2015/01/16 18:10
- 名前: 捨駒 (ID: OSct4JfX)
「勝家、うちの部下って個性的だよな。」
「……確かに。」
「例えば…」
「こんの…糞坊主ゥ。俺様の事をなんつったァァア!!」
大きな槍を振り回し、細身の骨のような男は剥げている男を追いかける。この世の者とは思えない形相で低く喉を鳴らしながら無様に逃げる様を笑い、追いかけた。
信長と勝家の前まで来ると、こちらへ坊主は向かった。男は立ち止まり信長を見るなりすぐに濃い笑みを浮かべる。
「御屋形様じゃァ無いですかァ?」
槍を担ぐと細い体を前へ倒し、信長へ一礼をした。
これこそが前田利家である。
「所で…どうしたんだ?そんなに怒って…」
「んあ…コイツが俺様の事を犬扱いしてェ…まつから貰った笄を盗んだんですよ。」
「そ、そうか。」
「でェ…」
口元の笑みを更に濃くして坊主を睨んだ。
「コイツ、殺していいですよォねェ?」
「そ、それは駄目だ!ワシの前で殺すなんて…なあ!勝家!」
「……うむ。」
静かに頷いた勝家と信長を責めることもせず、利家は槍を担ぎ直し後ろを向くとゆっくりフラフラと歩き出した。
去っていく背中にその坊主は声をかける。
「けっ、逃げるのかー?!この、女々しい犬っころが…」
余程癇に障ったのか、素早く振り向き、信長の前でなぶり殺しにして見せた。骸と化した男を蹴り飛ばし、痰を吐きかける。
これには流石の信長も怒ったらしく、腹を切ることを命じたが柴田勝家の説得により、浪人の身になってしまった。
浪人になってはや、一週間。
小屋に籠って勉学に励むなか、酒を持った男が現れた。
「…秀吉?」
「おうよ。どうだ、人を斬った感想は。」
「……軽かったな。アイツはぜってーに弱い奴だからよォ。」
「槍の又左とも呼ばれていたお前が浪人とはな。」
「信長様の命だ。俺はその命令に忠実に従いたいと思うんよォ。死ねと言われたら死ぬ、まつを殺せと言ったら殺す。…信長様が俺は好きなんだよ。」
「へーェ。」
持っていた酒を後ろに隠し、秀吉はその場を後にした。
利家の復帰を願いながら帰っていった。
眠たすぎて変な文になった。
前田利家は面白いなァ。信長はショタコンだったかも知れないな。