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- Re: 【戦国】殿と家臣と【短編集】 ( No.7 )
- 日時: 2014/12/07 21:44
- 名前: 捨駒 (ID: 9/mZECQN)
「若ァァ!!」
「消え失せろォォ!!こじゅろうたいさーん!!」
キックをかまし、畳に打ち付けられる家臣の隣でその親は微笑んだ。
「んふふ…今日もいい天気だなァ…」
のびてしまった小十郎に梵天丸は痰を吐く。輝宗はモサモサとした頭を掻き上げて痰を吐かれた小十郎に目を落とした。
「梵は凄いねー。きっと、天下も取れるハズだよォ。」
「フン!こんなのとはランクが違うのよ。」
「うふふ。竺丸にも負けちゃダメだよー。」
「承知いたしました!必ずや、梵が父上をも凌ぐ大名になります!」
小十郎は思っていた。
「…殿。いつまで寝ているのですか。」
「えぇ?後、四千年くらいかなー。」
あの頃の誓いはどうしたのだろうかと。
目の前にいるこれが主君であり、独眼竜として名を馳せている奥州の覇王・伊達政宗だとは微塵も思いたくなかった。
「今では輝宗様も居ないんです。」
「父上は、俺の右目で眠っている。…なんてねー。フハハ。」
自ら、父を撃ったとはいえども、弟を殺したともいえども、母を追い出したとはいえども、失うものが無くなった政宗はこの様に怠けてばかりいるのだ。
この奥州に、米沢に不安を抱くものは数多くいた。
「頭に来た。」
「重ちゃーん。どこいくのー?」
「…出てく。」
「え?」
「出てくつってんだろうがァァ!!この、腐れイタチ野郎めェェア!!」
走る重実を追いかける気力も無く、膝をついた。
少しだけ、小十郎も心を入れ換えたかと期待した。
「お前もイタチじゃん…」
小十郎は激怒した。殿には家臣の心が分かっていないと、三時間程説教した。
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