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Re: EUREKA ( No.107 )
日時: 2015/03/31 11:57
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: まさかの隣にいた妹によるカウンター攻撃→マウス操作ミス→初めての途中更新

「……なるほど」
「ん? 何かあった?」
「色々な。……こっちもだが」

 真白がそう呟いて中指から長剣を出現させる。それとほぼ同じタイミングで建物の角から複数の影が飛び出して来た。

「あー……。これがトイフェルってやつ?」
「見たことなかったのか?」
「うん。見覚えはあるんだけど、いまいちよくわかんない」
「そうか。……蓮、千破矢みたいなやつと戦うのと、トイフェル潰すの、どっちが良い?」
「えっ、何その選択。トイフェルが良いです」
「了解」

 話が終わったのを待っていたかのように、トイフェルが飛び込んで来る。真白は全てを蓮に丸投げし——と言っても真正面に突っ込んだため剣で何対か貫いているが——、それに対してある意味安定の真白だと解釈した蓮は懐から札を取り出した。
 虚空へ剣を薙ぐと、途中で止まる。力を込めると、舌打ちとともに黒髪の少年が姿を現す。真白が剣を引く少年はホッとしたように息を吐いた。

「むぅ……デジェル様の部屋にあったし、流石に強いよなあ……」
「デジェル……!?」
「あっ、デジェル様知ってる!? あの方の部屋にお前の写真、めっちゃちっさいころのやつあったぞ!」

 いきなり目を輝かせながら嬉々として話しだす少年に、真白は色々と絶句する。——というかここまで来てそのカミングアウトはどうかと思うんだ。

「うん、やっぱ綺麗だわ」
「とりあえずその手を離せ」
「やだ。デジェル様と同じような種族だったら、俺に弱いだろうし」
「よし、お前はとりあえず倒す。話はそれからだ」

 掴まれた両手を利用して相手をはっ倒し、馬乗り状態で剣を構える。

「ちょ、お前、……燃やすよ?」
「……準備完了。燃やせるものなら燃やしてみろ」

 真白の手が離れ、少年は起き上がろうとするが、身体が動かない。よく見ると、糸のような物が地面と少年をつなぎ合わせていた。

「うぇえっ、お前氷兵じゃないの!?」
「残念ながら、氷兵ではないな……。デジェルには世話になったな。帰ったらありがとうとでも伝えておいてくれ」
「えっえっ俺お前倒しに来たんだけど?」
「次はちゃんと作戦たてて来い」
「人の話聞け!?」
「トイフェルはもう手に負えない状況だな、すまない。じゃあな」
「お——い!?」

 少年は真白による一方的な交渉(?)にツッコミ的なものを入れまくるが、真白が指を鳴らした瞬間その場からあとかたもなく消えてしまった。振り向くと、蓮が最後のトイフェルを“粉砕”と書かれた札で粉々にしていたという。