コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: EUREKA ( No.11 )
日時: 2014/12/20 00:57
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: ヤバい喉痛い風邪かな……。


 ピクシー。それは、妖精の種類であり、透明色の羽で飛ぶことができる小人。基本は危険性のない存在。『妖精狩り』の対象である。


「——ヤバいな」
「ああ、ヤバい」

 真白と千破矢は“友だち”の家の玄関をぶち抜いて部屋に入り込み、机の上を見て頭を抱えた。
 蓮は「おじゃまします」と呟き、2人の視線の先——机の上にある紙切れに目を移した。

“あなたがこれを見ていると言うことは、オレはここにいないのでしょう。
 これを読んでるのが、真白と千破矢であることを祈り、話します。
 オレはKHに狙われてます。なので逃亡がてら情報集めの旅へ出ます。
 また会えたら良いな                          アレン・ライト”

「ヤバい。ヤバいヤバいあいつマジで考えなさ過ぎて……もう……」
「流石アレンと褒めるべきなのか」

 腹を押さえるながら呻く千破矢と、頭をぐわんぐわんと揺らしながら思考する真白。蓮は思う。——なんじゃこりゃ。
 とりあえず蓮は叫ぶ。

「——とりあえず、千破矢は深呼吸。真白は状況説明。外の皆はとりあえず入れェェ!!」
「「「「「「「わかりました!!!」」」」」」」

 千破矢が部屋の奥へ行くのを見届け全員が入って来るのを迎えてから、真白は話し出す。

「アレンはさっきの僕たちの友だち。手紙の通り旅に出たんだ。そしてここは僕たちが前住んでた家だ」
「うん。で、考えなさ過ぎてーってやつは?」
「普通に考える。あれを見たのが僕たちじゃなかったら? そもそも逃亡するってことは家がばれてる。なにより手紙に僕たちの名前が書かれている。つまり?」
「……うん。ちはやに共感するね」

 「だろ?」と言う真白に苦笑しながら蓮は日向たちの方に振りかえり、

「じゃあ、私たちはこれよりゼウスへ向かいまーす!!」
「えっ」

 その後の無言の威圧と笑顔にやられ、渋々了承する詩音。
 千破矢が溜め息を吐きながら戻って来て、「もう大丈夫だ」と笑う。ただしどう見ても大丈夫ではないレベルで目が死んでいたりする。

「千破矢。歩けるか?」
「おー。問題ねーから大丈夫だから」
「ひっ……」
「大丈夫じゃないだろお前……」
「んーや。問題ねーからマジで。ゼウスだろうとメロスだろうと行ってやんよ」
「お前少し寝て来い」

 ふらふらと歩きながら近づいて来る千破矢に至極ナチュラルに恐怖する風蘭。と、「これが普通ですけど何か」と言わんばかりに即答で返答する真白。
 ……そしてその状況に全力で引く残りメンバー。

 まあ、そんなこんなでとてつもなく重大っぽいことを背負った千破矢と真白(ただし本人はそれほど気にしていない)。
 8人はこれから、大都市・ゼウスへ向かうらしい……。