コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.113 )
- 日時: 2015/04/12 05:58
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 徹夜は私もですね
「『楽しかった。』か……」
机の上に置いてあった紙を見て、豪雷は溜め息を吐いた。結局起きなかった狼は豪雷の部屋へ連れて行くこととなり、渋々承諾。そして今朝起きてみれば窓だけ全開で本人は置き手紙だけ置いていない。
豪雷が扉を開けると、丁度手前の部屋が開く。真白が目元を擦りながら右手に黒くて細長い物体を持って出て来た。
「おはよう。徹夜か?」
「んぅ、おはよ……ごーらい、か……」
いつもとは違い、欠伸混じりな口調で挨拶される。少ししてから、「あ」と呟いて黒い物体とともに部屋へ入り、数秒後再び出て来た真白はいつも通りの軍人。
「おはよう豪雷。……五月雨狼は?」
「この紙を残して消えたな。窓から」
「窓からか。あいつらしいな」
念のために言っておくが、「狼=窓から撤退」と言うわけではない。「窓から去る確率が高い人物=狼」。
「ところで、それはなんだ?」
「昨日割れたスタンドマイク。直したついでに強化した」
「そうか」
「あと、鈴芽のことだが……すまない、そんな真顔で迫られたら流石に僕でも引く」
全力で目を逸らされ、地味にショックを受ける豪雷を放置する方向で真白は話を続けた。
「怪我はまあ浅い。……ニベアとフェルームが入っていたボールが破損していた。おそらくボールが急所を防いだのだろう」
「そうか。……2体は?」
「機能停止である。実は愛着もあるし、同じ人格でいてほしいため、時間をかけて修復する。需要があれば初期データから作り直すが」
「……すまない機械系は苦手だ」
「だろうな」
何気にロボット2体が危機的状況なわけだが。
真白が「では」と部屋へと戻って行き、豪雷も特にやることはなかったため、部屋へ戻る。
出発の準備をする際、雷神刀を見ると柄の部分に、前村に刀を取りに行った際、鈴芽に貰った琥珀色の石がはめられていた。