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Re: EUREKA ( No.114 )
日時: 2015/04/19 02:59
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


 一つ、これは本日の馬当番(馬操縦)が日向だったこと。一つ、全員が地形を気にしなかったこと。一つ、メンバーに被害者が存在していたこと。そして——

「うわああああああああああああああああ!?」
「……今日は珍しく早起きですね……?!」

 朝っぱらから千破矢の叫び声に起こされたメンバーはおそらく一人残らず悲鳴を上げただろう。風蘭は起きなかったが。何だろうと日向が顔を出すと、そこにはある意味異様な光景が広がっていた。

「……ただでさえチートで目立ってるのに、なんか色々と激しい役回りさせられてるから、なんとなく察してたけどさ」

 昨夜千破矢とカインに挟まれて寝ていた真白の姿はなく。代わりに、布団の中でぐっすりと眠っている真っ白な髪の——“幼女”がいた。
 カインは懐かしそうにそれを眺め、千破矢は困惑しながらも見覚えのある容姿に口をぱくぱくと動かす。詩音は豪雷を揺すり起こし、鈴芽はそれに参戦しつつ笑いを堪えている。蓮は案外落ち着いていて、自分の持ち物を確認していた。

「すずめー、この子サイズの服ある?」
「……of course!! フリッフリのがあるよ!」
「「お前ら……」」

 落ち着いていたが、方向が完全に狂っていた。
 その子は風蘭と同じくらいの年齢で、髪は現在と違って肩より少し上までしかない。……そして服がはだけている(背が縮んだと思われる)。

「男子……。カインさん以外日向のところ行け! こんな素晴らし……ゲフン、わけのわからない状況で君たちがいたら混乱しちゃうよ!」
「「「理不尽!」」」

 蓮が無理矢理男子を表に出し、日向が動揺しながら馬の操縦に戻る。大事件はその数時間後に起こった。


 *


 真白が起きて早々訳のわからないまま着せ替え人形にされている頃、睡眠時間が足りなかったのか、日向以外は寝ていた。

「ん、なんか見覚えある町……」

 そう呟くが、日向はどんな所だったかは思い出せなかった。とりあえず行けば分かるだろう。そんな軽い気持ちで馬を走らせる。
 色のない、虚ろな町——ロッカスへ。