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Re: EUREKA ( No.119 )
日時: 2015/04/26 21:28
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: 私は思った。これ一応千破矢編なんだよね……。

・今思うとアレンのデザインってけっこうカラフルですね(※学校で描いた感想
・真白って家事は苦手なイメージがあるのですが、他はなんでもできそうですよね(妄想)
・今いる部屋がどんな場所なのかは読者様のご想像に丸投げします。石畳です。
・久しぶりにちゃんと寝れた((徹夜更新の人
——


 気が付くと、見たこともない木製の建物の中にいた。そこには千破矢とアレンがいて、しばらくそこで暮らすことになった。ここまで逃げてきた、と言っていた2人はどこか悲しそうで。数日経って異種族に襲われた時に初めて気付いた。——魔法が出せない、エーテルが封じられている。

「千破矢……、アレン……」
「ましっ、逃げろ!!」
「うるさいなぁ……。黙ってろよ」
「ぐあ……ッ」

 さらに首を絞め、千破矢の声が小さな部屋に響く。アレンの手の力はすぐに弱まった。

「……何?」
「やめろ」

 真白がアレンの腕を掴み、睨みつける。溜め息を吐きながら千破矢の首を解放すると、その場に膝から崩れ落ちる。

「お兄ちゃんに文句があるの?」
「何があったのか、答えて」
「ふふ、なんでしょーか。あっ、千破矢くん護るためにオレと戦う? ねえ、戦う?」
「……」

 ——どうやら真白には興味がないらしい。
 アレンは真白の反応を見て苦笑する。そして指をパチンと鳴らすと、千破矢の体が鎖のようなもので縛り上げられ、壁に押し付けられる。

「!?」
「じゃ、兄さんは黙って見ててね」
「……こーそくぷれー?」
「わあ……、それどこで知ったの」

 詩音情報。

「先に忠告しとくよ。千破矢はなんとなくわかってるだろうけど、ここでは魔法を使えませんっ」

 と言いながらアレンは炎魔法を繰り出す。真白はそれをかわし、地面を蹴り上げてアレンの眼前まで来ると——

「はああッ!!」
「えぇっ!?」

 アッパー。
 予想外過ぎる技をもろにくらってしまい、後ろへ吹っ飛ぶアレンを見つめ、真白はにっこりと微笑んだ。

「さあて、アレン兄。……妹を怒らせたんだから、最後までしっかり責任とってよね?」

 “我”でも“僕”でもない、“妹”。“家族”としての真白を怒らせたことを意味するには充分すぎる表現だった。
 呆然とする2人の前で真白は片足を使ってくるりと回り、アレンに一歩ずつ近づいて行く。足を踏み出すたび、こつん、こつん、と音が鳴る。目の前に着き、足を止めると同時にいつもの無表情に戻り——

「——我が軍はこれより、“兄”を奪還する」