コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.129 )
- 日時: 2015/05/24 06:38
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: やっぱりホモなんじゃないのかな(寝言)
真白は2人が出て行くのを見ていた。その時はニベアとフェルームの修復作業に取り掛かっていたため、まあ良いやと放置していた。
ある程度作業が終わり、椅子に身を任せて目を閉じた瞬間——。“魔王軍”の気配を察知してしまった。
「オレさ——」
「——フェイ!」
カインはそう叫びながらフェイにタックルする。ドォンと音が響き、フェイが次に見たものは、真っ白なフードが赤く染まる光景だった。カインは傷を負わせた武器である槍を抜き取ると、それを飛んできた方向へ投げ返した。
脇腹を押さえて蹲るカインにフェイは駆け寄った。
「最近、遠距離攻撃が多いなぁ。大丈夫?」
「……あ、ああ。オレは問題ない。あまねちゃんこそ大丈夫か?」
「うん。すごく痛い」
「だろうな!!」
脇腹とはいえ貫通したという現実は変わらない。これで痛くないと言えるのは、それこそ軍人風氷姫くらいのものだろう。
——そんなことより、何故攻撃されたのか。
「……ごめん」
「平和な時間は終わりか……」
「え、ごめん。オレ数時間前にお前のこと襲ったよな? お前の平和ってなんだよ?!」
「他人との特に意味のない争い……。が、ない時間」
「へえ」
どうでも良さそうな返事の直後、(槍投げ)攻撃が再来。フェイは槍へ炎を放ち、その場で消滅させる。数本残ってしまったそれは、一直線にカインへ向かって進んでいた。
この程度ならかわせるだろう。
だが、カインは全く動かない。先ほどの傷で、動かないのではなく、動けないのである。
「——おい!!!」
フェイは悲鳴にも似た声でそう叫ぶと、先ほどカインがしたように、タックルをぶちかました。
地面を転がって呻くカインをちらりと見て、フェイは苦笑する。
——ごめん、オレ人を庇うとか初めてだし、急所外すとか無理だわ。心の中でそう呟く。激痛とともにフェイの意識は飛んだ。