コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.139 )
- 日時: 2015/06/21 04:24
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 予想以上に理想通りになってくれすぎて取ってつけたみたいな展開にry
「あー! くそっ、グラギエス? それどこなんだよ!」
「場所はわかってますけど……」
「馬がバテてる……」
この旅一番の苦労人(馬)は半日ぶっ通しで走らされたため、バテバテである。
そして、豪雷は1人疑問を抱いていた。
「——今の実力で、俺たちは魔王軍本部へ乗り込むのか?」
その言葉に、全員の動き(馬除く)が固まった。
「言いたいことはわかるけど……」
「いつも真白に任せてばかりだった俺たちが、今更、それも今までより強い者と戦えるのか? 勝てるのか?」
「「「……」」」
——こうして一行は修業を開始する。
*
「……」
よいしょ、と呟きながら真白はベッドから起き上がる。辺りをきょろきょろと見回し、「大変だなぁ」と言いながら着替え始めた。
真白がこの城——通称魔王城へ来てから一ヶ月が過ぎた。魔王と直接会うことはなかったが、代わりに“千暁”という最高幹部には一度対面している。デジェルの部屋で“軟禁生活”を送っている真白はこの状況を、意外だと思っている。
前とは違い、石で造られた建物を不満そうに眺め、それから窓の外を見やる。
あの後、真白はすぐにでも千破矢たちが来るのではないかとハラハラしていた。今の実力では、魔王はもちろんのこと、自分すらも倒せない。一週間ほど経ってから、おそらく豪雷か鈴芽、詩音あたりがとめたのだろうと解釈し、自分の任務を開始していた。
軍服のような服——普段着に着替え、数分前まで寝ていたベッドに腰掛けると、ニベアとフェルームの修理を開始した。そして——
「——イニティウム」
傍らにいた“それ”の名を呼ぶ。
「今日も、頼んだ」
『わかった。……』
7歳ほどの少年の姿をしたロボットはこくんと頷いてから、呪文を唱えて体を小動物の形へ変化させ、小さな穴から部屋の外へと出て行った。
それを見送ってから、真白はあと少しで修復完了な2体の作業に戻った。