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Re: EUREKA ( No.14 )
日時: 2014/12/21 02:45
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


「ふぁぁ……」
「お前な、いくらなんでも人の話をあくびで流すことないだろ」

 蓮と千破矢は何の変哲もないただの獣道を歩いていた。山の下へ下りた直後の森である。

「いやあ、ごめんごめん。日向と真白ならまだしも、まっさかちはやとペアになっちゃうとはなーって」
「そんなに俺が嫌だったか」
「うん」
「お前……」

 ベーラでは普通に呼んでくれてたのに。
 千破矢の心情を察する者はいない(と言うかそもそも蓮と千破矢以外誰もいない)。

「大丈夫かな」
「あいつらか? 大丈夫だろ。……多分」
「いや、私は容易に地獄絵図を想像できるけど」
「すまん俺もだ」

 蓮は頬に人差し指を置き、千破矢は正面から目を逸らしながら悩む。
 あいつらの対象は、真白と日向は勿論のこと、豪雷たちも含まれていたりする。

「そう言えばずっと気になってたんだけどさ」
「ん?」
「ちはやって、真白のことどう思ってるの?」
「あー……!?」

 千破矢は思わず硬直してしまう。

「ちーはーやー。私、どう思ってるの、ってしか聞いてないー」
「えっあっそっか。そうだよな。うん」
「何焦ってんの? もしかして……」
「るっせー!」

 赤面しながら蓮の方を向き怒鳴る千破矢に、蓮は思わずにやけてしまう。

「で、どう思ってるの?」
「んー。そうだな。時々ネジが吹っ飛んだようなことになるけど信用出来る、良いヤツだと思う」
「なるほどね……」
「お前はどうなんだよ」

 見ると蓮は、意地の悪そうな笑みを浮かべている。

「私はね。真白のこと、好きだよ」
「はっ!?」
「あれれ〜? どうしたの?」
「なっなんでも……ねぇよっ」

 さらに顔を火照らせながら、千破矢は目を逸らす。蓮はにんまりと笑った。

「冗談冗談♪ 友だちとして好きなのは間違いないよ? 信頼もしてるし、優しくて良い子だと思う。でも、同時に怖いって思う私がいるんだ」
「怖い?」
「そ。真白の考え方と私の考え方は違う。違い過ぎるんだ」
「そんなに違うのか」
「見てて分からない? 特に、“正義”に関する考え方」

 千破矢は少しの間思案し、

「あいつの考え方は滅多にいないぞ?」

と言った。
 その返答に蓮は思わずふき出し、腹を押さえ始める。

「ふっくくっ……! まさかそこを本気で考えちゃうとは……あっははっ」
「んだよ、悪いか?」
「いーや、面白かったよ。私の考える正義は人として正しいこと。その反対は悪なんだ」
「まあ、普通にそう思うよな」
「でも、真白は違うじゃない。正義は自分が正しいと思うこと。その反対は?」

 千破矢はなるほど、と呟き言葉を繋げる。

「——正義の反対は、正義——」