コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.150 )
- 日時: 2015/07/15 20:26
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 準備は出来たかな
「——了解。ありがとう」
『主は、何をしているの?』
「出撃準備」
『……もう、来るの?』
「僕が探知できる位置にいる。……」
真白はこの数日間一度も戻って来なかったデジェルを思い出した。この後の展開は、おそらくまだ想定内の事態。内心では「いやだな」と思いながらも、それを表に出すことはしない。
修復を終えたロボットを布団の上に置いた。そして——
「グラギエス到着……だね。お疲れ。——頑張って」
ゆっくりと立ち上がり、「待て」の合図をする。イニティウムは心配そうな表情をしながら、真白のベッドの上で機能を停止させた。それを確認すると、軍服の上着を脱ぎ、ワイシャツのボタンを上から3個ほどはずす。それから髪の毛を後ろにひとつで括り、扉を開く。
「さあ、——パレードの始まりだ」
*
グラギエスに着くと、荷台から降りる。
各自少し自由行動をとるなか、千破矢は即座にしゃがみ込み——
「さむいいいいいぃぃぃ……、ましろおおおおおぉぉ……」
「「「怖いやめろ」」」
ここ——氷族の町は、気温が低いものの、天候は明るい。にもかかわらず、どこか禍々しい空気が漂っていた。
詩音は目を開け、奥に見える石造りの建物を指差した。
「あれですね。……なんて違和感だ」
「それにしても氷なのに透けない建物って、the quality of being visionary!!」
「? なんて言ったの?」
「幻想的だ、と言ったのだ」
「豪雷って英語わかるんですね」
「慣れた」
——どうやらこのメンバーには緊張感がないらしい。
「そう言えば、ふうと日向はどうするの? ……たたかうの苦手だよ?」
「あー……たしかに。それ僕も気になる。純粋に」
「じゃあ、留守番しとく?」
「「それはいやだな」」
声をそろえて言う2人に蓮は「冗談」だと言って苦笑した。その表情が日向には、何かを隠しているようにも見えた。