コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.161 )
- 日時: 2015/09/26 21:11
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
- 参照: まさに犬猿!←違
そこには、淡く光る宝石を閉じ込めている透明な祠のようなものがあった。
「これが魔王の力を切り離してるんだ」
「切り離してる、というのは?」
「世界が終末を始めた原因は魔王だ。だが、今の魔王にはそれをとめる力がないんだ」
「……つまり?」
「君って賢いけど本当に馬鹿だよね」
「それさっきも聞いた気がする……」
——つまり結界を壊すことで魔王は“終末をとめる力”を取り戻すことができるということだ。
「でも中の宝石部分は壊さないで」
「何故?」
「そりゃあ、敵討ちのためだよ」
「……?」
もはや悪巧みしているようにしか見えない真白の不敵な笑み。チョップで祠モドキを破壊し、中の宝石をデジェルに見せる。
「ここからは君の仕事」
「それをどうするんだ?」
「千暁にぶん投げる」
「……千暁様に殺される」
「まあ、君が投げるのもそうとう面白そうだが……ゲフン。でも本当に面白そうだな……」
「何を言いかけたんですか真白さん」
「あ、はい。君はおとりになればいいんだよ」
「それはそれで生命的危険が——」
「投げるかおとりか」
「……」
猛烈なスピードで真白が鬼畜と化している。デジェルの反応は完全無視して真白は探知を開始する。
「ところでデジェル、これあげる」
「なんだこれ?」
「洗脳された瞬間首絞めあげる首輪」
「孫悟空的な」
「首輪だから犬だけど」
デジェルがその首輪をつけたところで真白は目を開ける。それから唐突に背伸びをして手を振りだす。そこには、黒い衣服に身を包んだ琥珀色の瞳と少し赤みを帯びた茶髪の少年。
「やあ!」
「ご無沙汰ですアレン」
「本当に久しぶりだし気付かれてたし話聞いちゃったし……」
「なら話は早い。ちょっとデジェルの代わりに宝石ぶつけてよ」
「聞いてた。良いけど、ぶっちゃけデジェル君が覆面状態でぶん投げた方がよくない?」
「アレンがそれで良いなら良いよ?」
「 俺 に も 選 択 権 を く だ さ い 」
ちなみに魔王城に人が普通に入って来れる主な理由は見張り含め真白が除去したからである。
「個人的にはおそらく途中で消されたのであろうデジェルの生死を千破矢に確認させたいというのがあったわけだが」
「フォローしようとしてるのか罵倒しようとしてるのか」
「アレンが出たら千破矢的にも嬉しいかもしれない。あと鈴芽が腐る」
「それは良いことなの?」
「むしろいい感じにご褒美だと思う」
デジェルでも腐るには充分だとは思うが。
「さあ、どっちが良い?!」
「真白ちゃんのテンションが狂ってきてる」
「こうでもしないとここシリアス要員だけになる」
「いや多分ここギャグ要員しかいないよ」
どちらが良いか。——その結果は、サイコロのみが知っている。