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　あれから数日。
　魔王軍は正式解散。千暁の行方はわからない——アレン曰く縄で縛り上げてきたらしいが。そしてそのアレンは蓮が宝石に閉じ籠ったあとに無言で出て行ってしまった。

「「「……」」」

　そして葬式のような雰囲気。
　日向、真白、千破矢、詩音、風蘭、豪雷、鈴芽。魔王軍解散後残った、デジェルと魔王と——無計画少年もとい黒髪少年。

「黙っていても仕方がない、これからどうするかだ。まずは蓮の封印を解く方法・理由を追跡。同時に……」
「同時に？」
「魔王違ったアステル。この前言ってた“何か”の存在わかったぞ」
「そんなあっさりと？！」

　凄まじく無表情でピースサインをする真白と驚愕するしかないアステル。

「色々と呼び方が違うようだが、基本的に“ゼノ”。入隊条件は特にないらしい。故にどこにでもいる一般peopleがゼノだったりするんだ」
「一般peopleて」
「ゼノに入っているだけで何もしていないやつもいるらしいが、一部は相当昔から活動している。魔王軍のトイフェルのような感覚で化け物を召喚するらしい。……ところでトイフェルは？」
「トイフェルは主に千暁の魔法だったから？　今はいないよ」

　そんな話をしながら、場の空気を壊しかねない——本当は壊そうとも思っていた——ので魔王と部屋を出て行く。
　パタンと扉が閉まり、日向が蓮を見る。ぴくりとも動かないそれは、数日前まで一緒に旅をしていた仲間。

「OK！　あんまりウジウジしてちゃ蓮のためにもならないよねっ。あたしは真白の話聞いてくるよ！」

　鈴芽がそう言って部屋を出ると、それに賛同したメンバーが続いて部屋を出て行く。残ったのは、日向だけだった。

「……」


　＊


「——おそらく、魔王軍解散……つまり、魔王が倒されたという情報でゼノが動く、はず」
「なんで？」
「昔テークシスは魔王を庇って死んだ。つまり、魔王を狙ったということだ。……良い機会だろう？」
「「笑顔が怖いです」」
「で、僕の推測が正しければなんだけど、——蓮も狙われるよ」

　話を聞いていた全員がむせ返る事件が発生する。
　真白は誰にも言っていないが、封印を破壊しようと全力で試行錯誤した結果失敗している。つまり真白の力以上のエーテルを持っての封印である。

「えっと、どうすりゃいいんだ？」
「基本的に“自分は魔王の仲間です”とか“自分は蓮を知ってます”っていう情報がなければゼノが襲ってくることはないだろう。故郷へ帰るだの前言っていたが、早いうちに終わらせてくれ」
「あー、完全たてこもりですね」
「そういうことだな」

　城内は機械等が交じったことで強化されている。入口の巨大な扉は固く閉ざされた。
　これまでは魔王を探して回ったが、今回は違う。
　——完全に防衛戦である。