コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.17 )
- 日時: 2014/12/23 22:15
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「……鈴芽が良い仕事してる何これ怖い」
「真白!?」
オンディーヌを湖に沈めた(正確には凍らせて湖に叩き落とした)あとしばらくして、真白が唐突に呟く言葉。
「いや、すまない。ここがゼウスの近くだってことに気付いた瞬間、期待を裏切られたというかなんというか……」
「Let's天才テレ○くんでやってた『くまちゃん聞いて!』する?」
「メタいけどそれやりたい」
「やりたいんだ!?」
冗談を真に受けられ焦る日向とそれに気付かない天然(真白)。
ちなみに歩いてあと1時間ほどの距離。
「じゃあさ、残りの時間で真白の能力教えてよ。尺余ったし」
「別に構わないが……。尺余ったとはなんだ」
メタ発言連発の日向。
一応(さらにメタ)エピソードを付けるとしたら、日向は魔法が使えないため、魔法をじゃんじゃかと使いまくる真白が主に好奇心方面で気になるもよう。
「どこから話せば?」
「出身年齢種族その他諸々どうぞさらけ出して下さい」
「変態」
「スイマセン」
「出身は覚えてない。種族はざっくり言うと氷族。氷族は基本的に手から魔法を出すが、僕は何故か中指限定。ちなみに年齢は14」
「弱点は種族からも名前からも察する通り、炎。あと物理攻撃は場所によっては命の危機である、当たり前だが」
そのまま話すことが無くなってしまった真白は、不意に何かを思い出したかのように日向の方を向く。
「日向。確か言ってた。自分は落ちてきた……、と」
「えっあっう、うん。……あ」
「なんだ」
「いや、気のせいかな。なんでもない。そんなことより、僕は落ちてきたよ?」
日向はこちらを見ている真白に既視感を覚えた——。が、自分が落ちてきた続きを聞きたいらしい。
「……。つまり、種族はまだ把握していないんだよな?」
「うん。どのくらい種族っているの?」
「知らん。が、10種以上は確実にいるな。日向が世間知らずで助かった……のか?」
「?」
ちょうど森を抜け、2人の目の前には青々とした草原が広がり、さらに向こうには大きな城のような物が見える。
「——竜人は属性別で行動するんだ。竜人はわかるか?」
「うん。ベーラで真白がボッコボコに」
「うるさい。その時の竜人は炎魔法を使った。他にも、雷や水などを使う竜人もいる」
「へえ……。竜人って奥が深いね」
「そうなのか? ——もし竜人が氷魔法を使ったとしても、絶対に口をきくな。目を合わせるな。真白の存在をその瞬間だけは記憶から抹消しろ」
苦虫を噛んだような顔をして下を向く真白に、日向はそれはただごとではないことを感じた——。