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- Re: EUREKA→KEEP THE FAITH ( No.172 )
- 日時: 2015/10/03 23:58
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
とんっ。
軽い音が門の前でなり、化け物たちの注意を引いた。燃えるような緋色の髪と、煌めく白銀の髪が舞う。千破矢は溜め息交じりに、しかし楽しそうに呟く。
「お前と共闘って……、なんだか熱くなれそうだな」
「あついのは苦手だ。それよりもあいつらの実力が知りたい」
「やってみりゃわかるだろ」
真白は苦笑しながら、中指から銃を出現させる。千破矢がにやりと笑ったことを合図に、化け物は声を上げて突進してきた。
「——もう少し手応えが欲しかった」
「俺は熱くなれるんならなんでもいいけどな」
「グラギエスは寒いからな」
早速呆れた様子の真白と、熱を感じて喜ぶ千破矢。化け物は2人を取り囲んで、一部は城門へと突撃を開始する。
太陽の光でまばゆく光る城門はそう簡単には壊れないであろうが、何百もの軍政が一度に攻撃するとなると話は別。門は音を立てて崩れた。——と同時に冷気が辺りを覆う。それに追い打ちを掛けるように、少女は一言。
「フリーレン」
城門を破壊した化け物は断末魔を上げながら凍てつく。同時に門も元通りの形に戻って行く。
「相変わらずの無双っぷりだなおい」
そう言いながら拳で片っ端から片付けている千破矢。拳によって弾き飛ばされた化け物の牙が戻ったばかりの門に当たる寸前、闇によってかき消された。
『マ、魔法使い……?!』
「うわ喋った。てか今のはマジでなんだ?」
「ごめん犯人真白だわ」
「お前かよ」
『お前タち、ナぜこの城ヲまもロうトスル?』
イントネーションが少々違うが、聞き取れるレベルで話す化け物に、千破矢は平然と答えた。
「そりゃあ、この中にいるのは全員俺らの大切な仲間だからな! 真白!」
「まあ、そうだなっ。それに、我は早く帰ってニベアとフェルーム、あとイニティウムを機動しなければならないんだ……」
「なんか増えてるし……」
『て、撤退ダ! 散レえェ!!』
深追いはしない。あくまでも“第一回防衛戦”を実行しただけ。
2人は命令を破ってでもこちらへ牙を向けてくる存在のみを切り捨てて行った。
*
「さすがデジェル様の……、上司なんですよね? あと赤いのもけっこうやりますね!」
「ましろんもちはやも強いねぇ!」
「……ああ、そうだな」
計2人の子守を任せられたデジェルはアステルの力を借りて巨大なスクリーンに外部の戦闘現場を見せていた。
「日向、まだあの部屋にいるのかな」
「どんな事情があるかは知らないが、あのままだと本当に……」
「……?」