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Re: EUREKA→KEEP THE FAITH ( No.177 )
日時: 2015/10/09 21:42
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)


 藍色の高く結われた髪を揺らし、少年は冷たく——淡く光る刀を構える。
 光り輝きながら氷柱はくるくると旋回する。その様子は刀そのものを護っているようにも見える。

「猿谷豪雷、参る!」
「ヒぃ?!」

 城門の前で膝をついた仲間は完全無視で敵陣へ飛び込んで行く豪雷。豪雷が一体目に斬りかかった瞬間に真白は窓から外へ飛び出す。

「ちょっ、ここ地上から30メートルはある!」
「……真白だし大丈夫じゃない?」
「ですね。というかもうスクリーンに映ってますし」

 ちなみに真白は風魔法を上手く利用して着地成功。城門を抜けてデジェルの隣までくる。

「大丈夫?」
「え、あ、はい」
「……豪雷、完全に不意打ちとか言ったやつ探してるね」

 豪雷のまっすぐすぎる攻撃は簡単にかわせるが、動きも地味に速いため背後を狙うのは難しい。だが、回避はそこそこ出来る。そんな攻撃を避けきったゲシュペンストがこちらへ向かってきていた。

「本当はフラムに頼みたかったんだけどさ。属性的に逆効果だと思って来たんだよ。この辺は僕も援護するから安心して」

 苦笑交じりに真白はそう言うと、周囲に冷気が漂い始める。
 豪雷は現在進行形で相手を蹴散らしていた。刀が相手に当たる直前に氷柱によって凍り付く。それを叩き切るというけっこうシュールな光景。

「あれは酷い」
「なんて面白い光景なのでしょう」
「防衛はほぼ真白が担当しているのがもうなんとも」
「サッカーではDFとFW出来るやつだな」
「真白はめちゃくちゃ完璧に近い存在だけどね」
「そう言えばそいつの名前も冬っぽかったな」
「おいそこ某サッカーアニメの話を持ち出すな」

 メタ発言全開。
 刀を振り被るその姿は暴れ馬のそれ。詩音は腹を押さえてぷるぷると震え、風蘭はその隣でお菓子を食べている。

「——雷神よ、汝の裁きを今仰ぐ!」

 氷柱が全て飛び、それ目掛けて雷が降り注ぐ。襲来時と比べて半数程に減ったゲシュペンストの一体が叫んだ。

「撤退!!!!!!」

 丁度その時最後の一体を凍らせた真白は、ぽん、と手を叩いて言った。

「忘れてた。デジェル、豪雷。買い出しよろしくね?」