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Re: KEEP THE FAITH ( No.186 )
日時: 2015/11/08 21:06
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
参照: 2と1を間違える恐怖

「さて、どうしますか?」
「「「どうすると言われましても」」」

 取り残されたメンバーは会議室(もはやリビング的存在)で頭を抱えていた。

「とにかくここ、グラギエスを死守することを最優先とする」
「ほう」
「そのうえで真白様・千破矢の増援を考えると、……」

 最大戦力が三人欠けた今、これ以上留守番メンバーを弱体化させるわけにはいかない。だからといって風蘭等の戦力外を出されても役に立たないだろう。

「よし、聞け」
「ニートどうした」
「ニート言うなし。……ここにサイコロがある」
「「「……」」」
「また、これが4面である」
「「「……」」」
「ふむ。ニートと戦力外を省いてサイコロで決めちゃうんですね?」
「そういうことだ」

 ニートの思考がどうもつかめない一部メンバーを差し置き、詩音はサイコロを受け取り隣にいた豪雷に渡した。

「つまり候補は……」
「私と豪雷とデジェルとフラムですね」
「では、1が詩音で2が俺、3がデジェルで4がフラムだな」
「フラムはやめた方が良い」
「正直それは私も思いました」
「酷い! でも賛成!!」
「だが断るッ!」

 豪雷は問答無用で机へサイコロを打ち付ける。サイコロならざる音が響き、そのまま高く打ち上げられたそれは詩音の手の上へと着地した。——1。

「では私ですね」
「杞憂だったな」

 詩音は微笑を浮かべ、デジェルはまだ少し黒い深緑色の髪を弄りながら呟く。豪雷は小さく舌打ちをした後、疑問を投げた。

「どうやって詩音を真白たちのもとへ送るんだ?」
「それはもちろん、私自身の魔法です」
「……あー! この前の大SAN事!」
「SAN値的なノリですね。それで行かせていただきます」
「待てそれお前以外だったらSAN値直送ものだろ」
「その場合は面倒ですが別の方法を使う予定でした。私優しいので」
「発言が微妙に優しくない」

 いつかの詩音ソロプレイの大惨事を思い出し、アステルは身震いする。続けてデジェルは首を傾げた。

「出発はいつだ?」
「そうですね。狼の容態次第ではありますけど、早くて三日後ですかね。それまでに帰ってきたら増援なんていらなかったということで?」
「そうか……」

 フラムはデジェルを見て苦笑すると、詩音の耳元で一言呟いてから風蘭のもとへ遊びに行った。

「——絶対に、無事で連れて帰って下さいね?」