コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.19 )
- 日時: 2014/12/24 02:28
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
・なかなか眠れないので眠くなるまで更新します(勉強しろ
「そう言えば、ちはやってなんで髪の毛伸ばしてんの?」
「お前ってなんでそんな唐突なの?」
蓮の問いかけに千破矢は問い返す。が、今までの経験(とツッコミ)により、蓮は質問を質問で返されても動じないのは知っている。
「俺が髪伸ばしてる理由はな。敢えて言わねえんだ」
「えー。けち」
「ケチじゃねーし。……なんで聞きたいんだよ」
「話すことが無くなったから」
「お前……」
地平線の向こう側にうっすらとお城っぽい物が見える感じの山を越えながら、千破矢は悩みだす。——どうして日向でも真白でもなく蓮と一緒になってしまったのだろう、と。
「大雑把に説明すると、——真白が好きって言ってくれたから」
「青春っ」
「るっせ!」
直後、蓮と千破矢は黙り込む。
——何かが近付いてくる音が木々の間を縫って聞こえてくる。
それは確実にこちらへと向かっていて、何かを探しているようにも感じた。
「——人間の気配がするぞ!!」
「この辺だな」
真白の意見通り——蓮の考え通りに、“人間が嫌いな種族の追手”である。
「マジかよ……。竜人か?」
「どうしよう。私が出たら一瞬だけど……」
「あと少しでこの山は抜けられる。急ぐぞ」
「……うん」
——なんで、私なの?
蓮は声の聞こえた辺りを睨みつけ、千破矢に返事をした。
物音を立てないように気を配りながら、少しずつ山を下って行く。
「……ねえ」
「んだよ。あんま大声出すなよ?」
「なんで、私を庇うの」
「……決まってんだろ。仲間だから、だ」
「——うん、そうだよね。ありがとう」
「それに、庇うも何も見つかったら俺まで巻き添え食らうしな」
にやりと笑いながら続ける千破矢に、蓮は苦笑する。
千破矢は蓮の腕を引いて全力疾走(山下り)を開始する。
下り切り、蓮と千破矢は後悔することになる。
——山の下には竜人が群れを張っていた。