コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.197 )
- 日時: 2015/12/16 18:02
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
- 参照: フラググラッシャーとは私のことである。
「よく来たわね」
牢屋の中でツインテを揺らしながらルクルッテは笑みを浮かべた。先日の不敵な笑みよりも清々しいものを。
「そうね、わたくしがここにいるのもあと僅か。……」
ルクルッテが指を鳴らすと、変化が訪れた。彼女の金髪はくすんだ色に変わり、目に見えてシワが増え——
「……ごめん。おばさん、じゃなかったね。おばあちゃん」
相手が老人になろうと容赦なく挑発的な発言を漏らす真白とそれを制止しようとして失敗したリン。
「……ふっ、これでもなおそんなことを言われるなんてね。わたくしの負けよ」
「よし勝った」
「君、ルクルッテの首、撥ねたよね」
とてもじゃないが薄暗い牢屋の前とは思えない話をした後、ルクルッテはシワで目つきの悪くなった眼球を2人に向けた。同時に両手が格子を掴んだ。手のひらからクシャリと音を立て、灰色の粉が落ちる。
「——ゼノの目的は、ツクヨミ・レンだ!!!」
ジュッ。音を立てて灰となったルクルッテの残骸。
「凄いものを見た気がする……マジか……灰になったね……何この勢いよく捨て去るスタイル……」
「レンは蓮のことだとして、ツクヨミってなんだ、蓮の名字はイズモだったような……」
「おいそこ解析開始するな」
クロムは言われてもわからない程度にゲシュタルト崩壊してしまったそれを見て、今後の処理をどうするか考えながら一日を終えることになったという。
*
「そろそろ帰りますか」
「まあ、すぐに俺はお別れだけどな」
「おはよう、知ってる」
頬を膨らませながら真白が呟くと、千破矢は溜め息で返した。
「今回で自分の弱さってやつを痛感したからな! フェイとかカインと行ってくるぜ!」
「【悲報】ツッコミ不在の魔王城」
「他にもツッコミ要員はいるだろ!? 豪雷とか……フラムとか!」
「フラムは良しとしても豪雷は駄目だ。腐る」
「……頑張ってくれ。こっちも頑張るから」
ツッコミと実力の両立を。そう心の中で補足しながら千破矢は目を逸らした。目覚めた直後に千破矢はカインと話し合い、旅をすると決めた。とりあえず狼を回収するべくグラギエスへ帰るわけだが、すぐに出発することになっている。
「帰りは——」
「詩音の魔法で荷車ごと」
「知ってました頑張ります」
ほぼお迎え役として現れた詩音は一応貴族。