コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.205 )
- 日時: 2016/02/12 19:51
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
「……」
「さあて始まりました不定期開催行事“世界の秘密探し”!! イン・ホモォ村!!!」
「えーっと……。これまで“世界の秘密”は見つかったことがないとのこと!! 今回こそは見つけられるのかァああ!!?」
「Good! よぉし頑張るぞー!」
「はーい」
こうして本来なら即座に終わる予定だったホモォ村を長引かせるイベントが発生するのであった。
ホモォに「この辺」と案内されてヒントと書かれた紙を渡された2人。樹の生い茂る森に置き去りにされ、鈴芽は紙を覗きこむ。
「ねえポート」
「ん?」
「あたしの予想」
「へ?」
「下手すれば今回で見つかるかもしれない」
「おぉっと鈴芽選手! メタ発言と共に勝利宣言!!!」
「そしてこの紙は役に立たないと断言する」
失笑気味で鈴芽は言い放ち、欠伸をする。ポートグリフは頭にいくつもの<?>を浮かべ、紙に目を向ける。
『頑張れ☆』
「……役に立つわけがない!!!!!!!」
「よーし探すぞー」
文句ならサイコロへ。
晴れ晴れとした空に反比例するように鬱蒼とした森林。先程まで雨が降っていたのではないかと思うほどにじっとりと湿った土。
この上をホモォの棒のような足が歩き回ったと考えるとなんとも気色の悪い話なわけで。
「めっちゃ汚れる鈴芽助けて!」
「汚れるのは当たり前! さっさと探すよ!」
「男前か!!」
「乙女だもんバーカ! 男後!!」
「オトコウシロ?!」
ずんずんと奥へ進んで行く鈴芽。たしかに「おとめ」だが漢字に直すとどちらかと言えば「漢女」。一方男後なポートグリフはグリフォン化して四足歩行。
「えぇ、そっちになるんなら乗せてよ」
「嫌ですよ土に沈むし」
「ねちゃねちゃしてるだけじゃん!!!」
*
「そしてこれである」
鈴芽はドヤ顔でポートグリフに言い放つ。
2人の目の前には木漏れ日に照らされて輝く花畑と、木製の社のような小屋。ご丁寧に賽銭箱の設置されたそれを見て、鈴芽は納得したような笑みを浮かべる。
「ポート」
「はいなんでしょうか」
「お金持ってる? 出来れば5円玉」
「……あります」
「よこせ」
5円玉を奪い、賽銭箱に投げつける。カラン、と音が聞こえるとほぼ同時に社の扉が開く。
「多分これじゃないかな」
「絶対それだと思う……」
書物庫と言われても違和感がないほどに本が敷き詰められた内装。鈴芽は部屋に上がり、ポートグリフに待ての合図を送る。
次の瞬間、外の世界から遮断するように扉が勢いよく閉まった。
*受験終了。少し浮上率が上がります(