コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.211 )
- 日時: 2016/04/02 18:06
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
- 参照: 忘れてるううう\(^o^)/
空は快晴で外に出るにはもってこいな天気。木漏れ日がゆれる森の中の獣道を歩く人影が4つ。
その中の1人、朱色の腰まであるくせっ毛の髪を1つに纏めた、他と比べるとまだ少し幼げな少年は何かにとり憑かれたようにぶつぶつと呟く。
「やばいやばいやばいやばいやばい……」
と。
赤毛と悪魔の羽(比喩ではない)を持った記憶喪失少年は呆れた口調で呟いた。
「今やばいのはお前の頭だろ」
残り二人が派手に吹いたがそこには触れないでおく。
黒髪の少年・カインは情報屋だ。先日まで“魔王へ対する情報”を集めていた彼はその過程で旧友である赤毛の少年・フェイと再会し、その後元魔王軍所属の五月雨狼と3人で行動を共にしていた。しかし最近捜索開始した“ゼノ軍の情報”を追う際、訳あってフェイの記憶がパチューンしてしまい、飛べない不死鳥な千破矢を一行に迎えることになったのだ。
千破矢は修業として同行しているが、このメンバーの目的は基本“カインと同行”すること。例え火の中水の中……というやつである。
狼は千破矢の仲間のうち2人に謎に執着しており、探している最中にカインらと出会い修業がてら同行しているのである。仲間との団体行動はなかったため名前通り一匹狼になりがち。
そんなgdgdなこの一行で千破矢が何故やばいを連呼しているのかというと、道のりの厳しさである。
「情報は最新のものの方が売れるし、個人的にも早いうちに知っときたいよね!」という情報屋の言葉により、真っ直ぐ進めば行ける道を中学理科の教科書の音波らへんに出てくるあのうにょうにょな線を描いて進むのだ。それ以外にもカインは「ちょっと崖から飛び降りてみない?」「今日は天気がいいから深海行ってみようよ」など、メンバーの前でとんでも発言を残しまくっている。ちなみに深海は種族的に無理なメンバーが半分以上いたため(というかカイン以外無理なため)決行されなかった。
「今日はどうするんだ?」
「さっき復興したての村の村長さんが教えてくれた情報では、この辺に祠があるんだって」
「ベーラって復興したてだったのか」
「竜人が攻めてきて壊滅しかけたんだけど、なんか全体的に真っ白な女の子が助けてくれたんだってさ」
「すげぇー」
超絶無関心な声色で狼は返事をしながらも、全体的に真っ白な女の子に対する既視感を覚えた。
千破矢は思う。——ああそれ多分というか間違いなく真白だわ。