コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.213 )
- 日時: 2016/04/03 23:23
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
- 参照: なんてこった
「うっわカインあいつ完全にオレら捨てて行ったぞ」
「千破矢がいるから仕方ない」
「ずりぃ」
狼がカインに文句を付ける。背後に迫りくる物音に気付いた2人は全力疾走。前方にはカインの持っているランプの明かりが見える。
「どっちが後ろ見る?」
「じゃんけん」
「「じゃーんけーんぽん」」
「任せたぞ狼……」
「クッソがぁ!」
狼は走りながらちらりと後ろに——地面よりやや上の方に——視線を向けた。
「へび?」
「ふぁっ」
「蛇っぽい胴体が……」
「顔は?!」
「石になったらどうするんだ」
「放置」
「見ないわ」
「ちっ」
ズルズルというよりもはやズゴゴゴと足元(足ではないが)のもの全てを引き摺ってきているような音を響かせている蛇(?)。暗いため色まではわからないそれは明らかにこちらを追いかけてきている。そして速い。
「とりあえずあいつらに追い付きたい」
「それな」
前述の通り全力疾走してるから普通に無理なんだけどねっ。
一方千破矢を半ば無理矢理走らせているカインは前方に淡い緑の光を放つ広間を見つけていた。ぎゃあぎゃあと何かを叫んでいる千破矢の言葉を完全に無視して手を放すと同時に広間へ辿り着く。
「ッ、……なんだこれ」
「さあ、翡翠かな?」
光の正体——緑色の宝石を見て千破矢がクエスチョンマークを浮かべる。あたり一面に敷き詰められた緑色の宝石は妖しく光る。
少ししてから徒競争のような走りで2人が広間に突っ込んできた。そして目の前にいる2人に驚く。
「いや何止まってんだよ馬鹿かよ!? 後ろから来てるの見ただろ?! 真っ先に!!」
「だってこれ以上進んだら君達、見失っちゃうから」
広間にはいくつもの空洞があり、確かに先に進めば見失うことはほぼ必須だろう。
「……どうするんだよ」
「とりあえず音の正体を拝みたい」
「なんてこった」
まだそこで好奇心出す感じなの? というフェイ。ちなみに一部を拝んでしまった狼はノーコメント。
物を引き摺る音が近付き、身構える。ほぼ同時に巨大な鱗を持つ蛇が顔を出し——
「あっらぁ〜いいオトコねぇ〜」
「「「……えっ」」」
首から上の部分だけ一丁前に男性な蛇は胴体から生えているうにょうにょした触手を頬に当て、爆弾発言を落とすのであった。