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Re: KEEP THE FAITH ( No.217 )
日時: 2016/04/15 23:19
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
参照: 獄都事変が大好きすぎて悶える日々

「「「……」」」

 蛇の表情は見なかったことに、4人は無言で円陣を組む。

「ばーかばーか千破矢のばーかお前なんてホモォ族に女装でもさせられとけばぁーか」
「もうやられた」
「わあ」

 逆に引くアレン氏。

「おい千破矢。……カインどうすんだ」
「それな」
「うっ……」

 ちらりと見やると、ちろちろと舌を出しながら待っていてくれている蛇の姿。千破矢はそこでやっと「うん?」と疑問を浮かべた。

「あいつ、別に攻撃してくる気はないよな」

 思えば初登場→カイン誘拐時も彼は叩き潰されるという指摘を受けて手段を変えた。先程落下してきた際も狙えばカインくらい潰せただろう。そして今は黙ってこちらの様子を見ているだけ。

「もしかして話せば通じるんじゃ……?」
「あれと話すのか? 俺嫌だ」
「平等にじゃんけんで決めようか」
「「「じゃーんけーん……」」」
「任せたぞ、狼。本日二回目」
「(´・ω・`)」

 文句はサイコロの神様へお願いします。
 キッと蛇を睨むと、口をにたりと歪める姿が瞳に映る。

「……、なんて言えば、良いんだ?」
「とりあえず戦う気はないってのとカイン返せってことだな」
「無理だと思ったら無理って叫んで下さいね。オレ逃げるんで」

 年下2人に引きつったようなそうでないような、微妙な笑みを浮かべられた狼。フェイは目を合わせようとしない——というか口を押さえて笑いと堪えている。
 狼は絶望に満ちた表情で蛇男の前に出た。

「やあ、蛇。俺は五月雨狼。お前は?」

 心なしか震えたその声は、無意識のうちに挨拶に。——あ、やばい名前決めてないわと作者が今ここで呟いたのは秘密。

「……、……。なんだろう。ちょっと待っててね?」
「いや、それはあとでで良い。その、なんだ。お前、こっちに敵意があるわけじゃないんだよな……?」
「あるわけないじゃないの。美少年いっぱいで大歓迎! なのにみぃんな逃げちゃうんだもの……」
「あっそ。なら俺らの仲間返してくんない? 一応あいつ俺らメンバーの要なんだよね」

 そんなこと思ってたんだツンデレかよ、という発言は現場に居合わせた2人の証言である。フェイはにやにや、千破矢は苦笑を浮かべて見守る。アレンは真顔で真上の空を凝視していた。

「……そうねぇ、ならあなたたちも一緒にここにいちゃ駄目なの?」
「無理だな。俺ら情報集めるためにも移動する必要あるし」
「むぅ……、……あ! そうだわ!」

 蛇男が何かをひらめくと同時にカインを拘束していた触手が引っ込む。

「——お茶会、付き合って下さる? そしたらカインちゃんと、あたしの持ってる情報をあ・げ・る♪」
「「「……はい?」」」

 数秒後、カインがもそもそと起き上がり蛇男の何かをゴオオッとさせるのはまた別の話。