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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.223 )
- 日時: 2016/05/31 21:52
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
「とにかく秘境とやらに行ってみれば良いんじゃない?」
「あら、行っちゃうの?」
「俺は行っちゃいます」
「待てアレン。お前の目的が俺には全くわからん」
「つくよみなんたらのことと、ゼノ。それと——」
アレンは少し間をおいてやっぱりなんでもないと撤回する。千破矢は疑問に思いながらも深くは考えずに、なら一緒に行こうと勧誘した。
「一緒の目的ならその方が都合良いだろうし」
「たしかにそうだね。アレンくんだっけ? 君さえよければどうかな?」
「あらら? 男が集結しちゃう感じかしらぁ〜?」
とても良い笑顔なネイクスさん。
2人の勧誘を前に、アレンは紅茶を一口啜ってから頷いた。
「俺が1人で行っても、怪しまれるだけだろうしな。同行しよう」
「まあ、集団で行っても怪しいことに変わりはないけどね」
むしろ怪しさ倍増である。
「ならそこまではあたしが案内するわね。あたしと一緒ならギリギリセーフよ、多分」
「ギリギリで多分とか……」
「成功したら今度またお茶会来てね♪ 暇持て余してるから!」
「ニートか?」
「やめてやれ」
——お茶会終了。
*
幼い彼女はとても“良い子”だったのだ。
それは皆にとっては“当たり前”であり、永遠のものである。……はずだった。
彼女はただひとつの罪を犯した。
『——人ならざる者の力で、他者の運命を変える。』
巫女には代々、人間にはないはずの“魔法”を操る力が存在した。
人間にはない——エーテルがその力に対応していない——それを使用するということはつまり、“人間ではない人間”ということになる。
何者にもなれないニンゲンは、忌み嫌われ、崇められた。
運命を変えるノウリョクの使用を禁止し、人間として生きてきた。
村の陰謀によって、少女が消されるまで。
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