コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.25 )
- 日時: 2015/01/03 06:59
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「あけまして!」
『『おめでとおおおおおおおおお!!!!』』
そして勢い良くマイクを振り下ろす——座ったまま寝ている豪雷の脳天めがけて——……。
「ぐおあああっ!?」
「よっし、さっさとゼウスで買い物して魔王潰すぞぉーっ」
「目的一瞬過ぎだろ!? 作者やる気なくしたか!?」
「らしい」
「マジかよ!?」
頭を押さえて物理的ダメージに悶える豪雷の代わりに、千破矢がツッコミを入れまくる。ちなみに事実かどうかはゲフンゲフン。
「どっちにしても……」
「え? れん? とっちにしてもって?」
宿屋のベッドを両手でペシペシ叩きながら蓮に話しかけるのは風蘭。蓮はというと、荷物を漁りながら呟く。
「ん? あー。なんでもないよ。日向が買い物すませてきたら出発ね。」
「何買いに行ったの?」
「乗り物。私たち、ホウキとかで飛べないし。ずっと徒歩もきついしさ」
「やったぁ! これでいっぱい寝れるね!」
風蘭は叩いていたベッドから跳び、まだ寝ている詩音の腹部へ飛び込む。
「ぐっ……。ふー、らん……? おはよう、ございます……」
「おーきーてぇぇ!! 寝ちゃヤダぁ!」
風蘭を両手で押さえこみながら、再び眠りにつく詩音。風蘭は完全に拘束された胴体をねじって逃げようとする。
「……やることやろうぜみんな。シオンそろそろ起きろ。真白寝るな」
「…………断る」
「起きろ燃やすぞてめええええええええ!!」
千破矢は真白の胸倉を掴むが、反応はない。そしてこの会話に入れていない1人は——
「ただいま」
——たった今帰ってきたところである。
「おかえりー! 買って来た?」
「うん。1番安いのを。……ダントツで」
「ダントツとか……」
苦笑してしまう蓮と、すまなさそうに頭をかく日向。
「じゃあ、お金払ってさっさと出発だね!」
「運転とか必要?」
「さあ?」
*
宿の前に置いてあったのは、木造荷車。全自動=馬という乗り物。つまりただの荷車。
「馬操れる人ー」
「シオン」
「またですか……」
真白と詩音はあくびをおさえながら荷車に乗り、ゼウスをあとにする。
「そう言えば、目的地を言われていないのですが」
「お前は何を考えてゼウスを出たんだ?」
「俺は1度実家に帰りたいのだが」
「それはフラグか?」
「あ、私朝ごはん食べてない」
「カバンに食パン入ってるだろ」
「そろそろお昼寝タイム……」
「早い!」
「我が軍はこれより睡眠体勢に入る」
「やめろ!!」
全てのツッコミを担当する千破矢に——というか千破矢の胃が心配になった日向は、カバンからこっそりと胃痛薬を取り出すのであった……。