コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.258 )
- 日時: 2016/12/16 13:56
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
鈴芽は城周辺を全力疾走していた。理由は特技の副業で。真白からの。
「この壁をっ? 跳び越える!? 待って身体能力的にもThat does it!?」
跳べた。
「っとと、と。よし、流石あたし(?)。次は……、はー」
メモから視線を外し、一瞬硬直した。そして次の瞬間ゲシュテンペストへドロップキックをぶちかます野蛮な腐女子の姿が。
「えーっと、あ、これショートカットで城に戻るwayなのね……」
*
「真白ォオーっ!!」
「おかえり、鈴芽。無事?」
「帰りにゲシュに会ったよぉ……、思わず使ったこともないドロップキック繰り出しちゃった……」
「思わずドロップキックは強い」
廊下で横から突撃を食らった真白は真横にぶっ倒れてついでに弾丸(鈴芽)も廊下の床へ放り出された。
「そうだ、どうだった?」
「No problem! 問題なく入れるよ!」
「良かった。僕今から夕方くらいまでそこに潜るから、何かあったら呼んでね」
「OK♪」
10分ほど前まで戦場だった城の前のボコボコな部位を銃で撃ちながら真白は出て行く真白を門の前まで見送り、鈴芽は大きく欠伸をする。
「さぁて、豪雷とフラムくんは怪我してないかなー?」
くるくると回りながら城内へ戻る鈴芽。彼女はこれから怪我の手当(怪我をしていれば)をし、日向の料理を手伝って掃除をする予定が入っている。グラギエスは今、人手不足なのだ。
広間は少し静かで、戦場より帰還した2名と、ロリ要員こと風蘭がぱたぱたと飛んでいた。
「すずめ!」
「Hello! 2人ともおかえりお怪我はありませんかー?」
「俺はない。が、フラムが……転倒した」
「こけたの!? Why?!」
「石につまずいて」
「You stumbled over a rock and fell」
「ごめん、なんて言ってんの?」
「あなたは石につまずいて転倒した」
「肯定文ッ!?」
ちなみに文法は作者がその場のノリで作り上げたため、合っているかはわからない。多分違う。
「そのくらいならましろんが置いてった薬でなんとかな……らないねぇなぁにそのトマトすり潰したみたいな血みどろえええ!!?」
「お前はお前でこの前腹部が貫通式を終えただろう」
「貫通式じゃないし……貫通はしてないし……」
ニベア達が壊れちゃったけどごにょごにょ。
簡易包帯だの消毒液だのをぐちゃぐちゃと漁り、フラムを椅子に座らせて治癒魔法をわっしょいと唱える鈴芽の動きは素早かった。
その間話を聞いていたフラムは膝を見ないようにして一言。
「腹部がってところは否定しないんだな、この人」
「何か言った?」
「なんでもないです」