コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.265 )
- 日時: 2017/04/17 19:24
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
「あ! シオン! おかえりなさーい!」
「ただいま戻りました。皆さん忙しそうですね?」
「そうなの! 大変なんだよ!」
共に戻って来た3人を完全無視しつつ風蘭は詩音のもとへすっ飛んできた。
大変だとは言ったものの上手く纏められずに結局言葉に出来ない風蘭。千破矢が困惑していると扉が開き、やつれた表情の鈴芽が出てきた。
「あ、あれ? 久しぶりー……ん? 千破矢がtogetherじゃんどしたの」
「先程たまたま合流しました」
「そうなの? ゲシュは? いない感じ?」
「ああ、いなかったぜ」
「OK……それなら良かった」
「お前もだいぶ疲れてるな、どうしたんだ?」
鈴芽は「あー」と呟くと少し首を傾げてから説明を始めた。
「昨日の夜のことなんだけどさ。ほら、レンのまわりをcrystalがcoverしてたでしょ?」
あそこにヒビが入って、そしたら夜分遅くにドカンバコンとゲシュが押し寄せてくるわけ。ホラー映画でもこんなことってないよね。
鈴芽はそこまで言って冗談半分に笑って見せたが、恐らくトラウマと化しているだろう。
「結局そいつらどうしたんですか?」
「ましろんがフラムくん叩き起して迎撃してくれたからあたしらは起きてからbatontouch! Nowだよぅ」
風蘭の頭をぽんぽんと撫でながら鈴芽は欠伸をした。
「ところでデジェルとアステルはー?」
「ああ、それならあそこです」
詩音が指差した荷車から、完全に熟睡モードに入ってしまったデジェルをなんとか担ぎながらアステルが出てきた。
「……ホモォ? アスデジェ? あたしの知らない間にいったいどんなイベントが——」
「「違う」」
曰く、疲れが吹っ飛んだ。
「ね、シオン。ほもぉって、なぁに?」
「聞かないで下さい」
「ゲシュテンペストさっきいたよー?」
「「「……ふぁっ???」」」
「えっ、どこにいたの???」
一瞬固まった4人だったが、風蘭が一足先に質問する。
「ここに戻って来る数分前、大軍でぞろぞろ動いてたねぇ。進行方向はこっちだったけど、どうする?」
「そろそろ休みたいよー……」
「あっ、それなら私と千破矢で行きましょうか?? 久しぶりに迎撃参加したいです!」
「はァッ? 俺を巻き込むなよ!!?」
「だって私の魔法って極端ですし、前みたいにここら一帯ボコボコにしてしまうのも……気が引けますし? それに——」
何故あなたはグラギエスを出たんでしたっけ?
詩音がにっこりと笑うのと、千破矢が駆け出すのは同時だったという。