コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: KEEP THE FAITH ( No.270 )
日時: 2017/08/10 21:22
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)


 時は満ちた。









「おかえりなさーい!」

 風蘭の高らかな声が部屋に響く。
 ロボを除くメンバーが久々に揃い、普段にも増してテンションの高い風蘭。
 まだデジェルは起きない。

「さっき外で会っただろーが。ただいま」

 風蘭の頭をわしゃわしゃとかき回しながら千破矢は苦笑を浮かべた。

「お城に入って来てなかったからあれは違うのー!」

 ぷんぷんと怒りながらも機嫌の良さそうな風蘭を横目に、詩音はふと首を傾げる。

「デジェルはまだ眠っているのですか?」

 鈴芽は食事をテーブルに並べながら「そういえば」と呟く。

「さっき部屋に運んで来たけれど、そろそろ起こさないとだね」

 時計の針を見ながらアステルはのんきに言う。

「なんであの話の後にぼっちにさせるんですかぁあ!?」

 やや食い気味にアステルに詰め寄るフラムは

「オレ起こしてきますっ」

そのまま弾かれるように部屋をあとにした。
 沈黙。

「えっ大丈夫かな!? 1人で行かせて大丈夫?! さっきのガチだったらヤバめじゃない!!?」
「何かあったんですか?」

 昭和のようなポーズを決めながら焦り出すアステルに、詩音は事情を聞いた。デジェル君乗っ取り計画説をある程度聞き、少し悩む素振りを見せる。

「……ぶっちゃけ人の髪の色なんて微塵も興味なかったんである意味予想外ですね」
「「ですよねー……」」

 鈴芽とアステルが沈みながら同意する。部屋の奥でそわそわしていた真白が意を決したように拳をつくった。

「僕も行ってくる」
「お、俺も!」

 言うが早いか電光石火で部屋から飛び出す真白。そしてそれをさらに追いかける千破矢。

「芋づる式に行ったね」
「千破矢、真白に追い付けるかな」
「追い付けないに晩御飯のプリン1個」
「えっ、えっと、……なんとか追い付いて「俺とあいつどっちが大事なんだよ」って言って「今はデジェル」って返されるにプリン2個!」
「日向って意外と妄想激しいね」

 鈴芽のツッコミに顔を赤らめる日向。アステルは賭けゲームということで真面目な表情を浮かべ、ふむ、と頷く。

「デジェルを千暁が攫う瞬間にはち合わせたフラムが全力でデジェル姫を救おうと奮闘しているところに真白が追い付いて飛び蹴りを噛まし、なおかつその瞬間をさらに追い付いた千破矢が目撃して一言、「何があった!!」って叫ぶに明日の朝ごはんのデザート」

 鈴芽は何故か「それ凄く良い」と叫んだ。