コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.271 )
- 日時: 2017/08/31 19:37
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
前回魔王様もといアステルが立てやがってしまったフラグは回収されることになるが、それはこれから話すものとする。
曰く芋づる式に部屋を飛び出して行った3名。
トップを駆け抜けるフラムは後ろ2人の気配はわからずともとりあえずデジェルの身に十中八九何かが起こる予感がしていた。「だって尺的に来てるじゃないですか!」。
そのしばらく後ろを走る真白はあれよあれよと言う間に千破矢との距離を(物理的に)離して行く。まだフラムの後ろ姿すら捉えられていないが一応正常。今は後悔とかしてる場合じゃないのです。
最後尾の千破矢くん。前と比べると体力もついたのか真白の背中を追うことは出来ているが多分時間の問題。頑張れかませ犬。負けるなかませ犬。
「——デジェルさっあああああああ!!!」
空気を読めない叫びが部屋に響く。
扉の音で起こす、というかむしろ仕留めんばかりの勢いで開かれた扉の先にいたのは、ご丁寧に窓から侵入を果たした千暁。ベッドの上にいるデジェルはこころなしか——どう見ても苦しみ悶えている。
「デジェル様っ! 大丈夫ですか?!」
咄嗟に駆け寄り様子をうかがう。髪は黒。呼吸は荒く、大丈夫の“だ”の字もない状況だ。
「安心しろ、まだ生きている」
安定の厨二ポーズを決めて笑う千暁を睨み付け、フラムはそのまま硬直する。
——勝てるわけがない。
「はち合わせたのは想定外だが、1人ならば問題ない」
ゆっくりと足音を立てて近付いて来る悪魔。デジェルを背にフラムはおもむろに立ち上がる。
「お、オレはデジェル様をまもるんだ!」
何の宣言だ。そう心の中でツッコミを入れる。
いやもうダメだろこれ普通にオレ無駄死にしてデジェル様連れて行かれるやつ——……?
次の瞬間オレの目に映ったものは、勢いよく飛んできた氷のつぶてと真白さんの膝をモロにくらって吹っ飛ぶ悪魔の姿でした。