コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.29 )
- 日時: 2015/01/17 02:08
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「さあ、ここはどこでしょうか?」
「ん、調べるから少し待ってくれ……」
荷車の中では詩音と真白除く全員が眠っていた。ちなみにロボット含めてである。
真夜中は吸血鬼の時間。ちなみに氷族にとっては警戒時間だったりする。
「サネラの森。竜人の村が近くにあるな。種族はわからないが……。離れた方が良いだろう」
「なるほど。詰みましたね」
「馬がヤバいか」
詩音が苦笑をこぼすと、真白は詩音のリュックを確認してから溜め息を吐く。
「なにもない」
「ヤバいですねー……」
「この辺は果物などは豊富なのだが……、……」
真白は目を閉じて集中し、サネラ全体を探知する。
森自体はそれほど広くはなく、竜人の村自体は現在地とは正反対の方向にある。中心部に巨大な樹が生えていて、そこにも竜人がいるらしい。今のところ近くに敵対種族はない。
「その道を少し進んで、右にある洞窟は安全地帯。そのあとは僕が食糧を採りに行く」
「わかりました。大丈夫ですか?」
「……問題ない」
真白は後ろの光景を一瞥し、千破矢が眠っていることを確認してから頷く。
「なら良いのですが。では、毒キノコをひとつ持って来て下さいませんか?」
「何故?」
「私の大好物です」
「……」
「勿論嘘なのでご安心を。毒キノコを食する趣味はございません」
「一応あれば採って来る」
詩音の冗談をある意味真正面から受け止めると、真白は腰につけているポーチを確認する。
少しして、洞窟の中に入ると同時に馬はその場に崩れ落ちるように眠る。真白が荷台から飛び下りると、詩音が代わりに乗る。
「本当に大丈夫ですか?」
「……竜人は夜行性ではない。出来るだけ早く戻る」
「わかりました。私も行きたいのですが、今戦力を起こすと色々厄介なので、すみません……。気を付けて下さい」
「善処する」
洞窟は生い茂る植物により綺麗にカモフラージュされており、見つかることはないだろう。
真白は闇には溶け込めない純白の髪をなびかせ、森の奥へと進んだ。