コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.38 )
- 日時: 2015/01/24 22:43
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
砂漠の真ん中の集落で、千破矢たち“入れ替わり組”は少しばかり危険なことになっていた。
「うぐ……」
「ましろ……っじゃなくて! ちはや、だいじょーぶ?」
『だいじょぶ?』
「まあ、僕の体でこの温度は、な……」
「ホントマジ、真白さん凄いです……——」
そのまま地面にひれ伏すように倒れる真白(in千破矢)としゃがみ込んで心配する風蘭。そしてニベアを抱えながらそれを見て溜め息を吐く千破矢(in真白)。
幸いこの編は人が少ないが、橙色の地面に融けるつもりでいる真っ白な物体にはその場にいる全員が愕然としているだろう。
「魔法、何かひとつでも……」
「……氷魔法は僕の体では、“僕以外”使えないんだ。千破矢の体で氷魔法を使えるなら話は別だが。……風蘭」
「えっあっ、ビンデっあっ、ビンヂッ、ヴィンディフッ、あうぅ……。ヴィーンーディーヒーッ! ヴィンディヒ!」
「噛みすぎ……」
頭を抱えて目を逸らす千破矢(in真白)に何故か違和感はない。風蘭がちゃんと詠唱を終えると、真白(in千破矢)を中心に風が集まって来る。
「か、風加減いかがでしょーか……?」
「あぁ……。なんか、良い感じに風が来た……」
「ふむ。……やはり、風蘭は攻撃的な魔法は使わない方が良い」
千破矢はそう呟きながら、不意に前方から聞こえた声に反応。声のした方へ視線を移す。
「……な、んだと……っ」
『 』
次の瞬間、千破矢はニベアを後方へぶん投げ、走り出していた。
「うおっ!?」
「ひゃあっ」
目の前に飛んで来たニベアを捕獲と共に叫ぶ風蘭。ちなみにロボット二体はあくまでも“人工物”のため、悲鳴など、恐怖に関する感情は全て“エラー”として解釈される。つまり無心。
「なんで今俺の体はダッシュしたんだ……?」
『 』
自分の瞳でそれを見てしまったニベアにさらに“感情”が戻ってしまい、厄介なことになる。代わりに情報共有機能が働き、フェルームが真白の足に前足を乗っけて
『んちょねぇ、あっちでねぇ。ふうくらいの大きさの子どもたちがねぇ』
と、フェルームにしては少し焦り気味に話し出し——
『“といふぇる”に襲われてるのぉ……』