コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.46 )
- 日時: 2015/01/28 13:02
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「「「「ふぁっ!?!?」」」」
「ちょっ、あれ何だよっ!?」
「何あれ変人!?」
「そして堂々としている現実ェ……」
「『そこのお譲さん、appleはいりませんか?』」
「なんで英語なんだよぅ……」
「『リンゴは間に合ってます』」
「『私は甘くておいしいリンゴでございます』」
「「「「リンゴ喋ったああああああああああ!?!?」」」」
——リンゴ役って、必要? やっとのことでそこに疑問が生まれたが、すでに手遅れ。
「『たしかにvery(×2)胡散臭いリンゴだけど、美味しいよ?』」
「『胡散臭いは余計ですが、美味しいのは本当ですよ』」
「……。……っ、……『胡散臭いリンゴは食べたら駄目だ、という蓮からの指示が出ています』」
「え、私が言ったの——あ、そうか」
「ああ、その通りだ。真白よく言った」
「裏切り……?」
魔女とリンゴは二役持っている——そしてその役がどちらも、小人なのである。
英単語を時々並べる若干今時な感じの魔女と、凄まじく胡散臭いリンゴと、慣れない言葉に四苦八苦している姫。
舞台裏で全員が(展開的な意味で)慌てふためいていると、リンゴが白雪に近付き、顎を右手の指で持ちあげると、キスしていた。
「……、……っぁ!?」
「………………………………」
これは千破矢と風蘭にクリティカルヒット。千破矢は声にならない悲鳴を上げ、風蘭は呆然というか虚ろな瞳に。当の本人——詩音は真白に向けてニッコリと微笑み、真白は別に驚いた様子もなく、ただ固まっていた。
「む……、僕は、倒れた方が良いのか?」
視線を蓮に送れば、蓮は即座にカンペで殴り書きの「OK」という字を表示する。
白雪姫が倒れると、鈴芽と詩音はさっと舞台裏へ移動し、蓮と数合わせと言わんばかりに登場した風蘭と日向が疾風の如く参上。
蓮が棺桶を舞台に放り、日向と風蘭が待ってましたと真白を棺に詰め、風蘭が魔法で花を棺に敷き詰め、悲しんでいた。
「てっめぇぇえシオン!!!!!!!!」
「落ち着いて下さい。鼻の上なのでセーフです」
「やられた本人よりも発狂寸前だね☆」
「それは真白の神経が狂ってるだけだああああああ!!!!!!」
さっきからされるがままの真白は、下手したらどこかの雪の女王に転職しかねないため、声は蓮と風蘭が担当し、日向は小声で「ごめんなさい」と呟き続けていた。
「『ふぇええん! 白雪姫が死んじゃったよぉ〜!』」
「『だからっ、胡散臭いリンゴに関わるなって言ったのに……っ!』」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい——」
ついには本気で泣きだしてしまう風蘭と日向に、蓮は思った。「何故演技で泣く?」。