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Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.47 )
日時: 2015/01/28 14:30
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


『その時、馬には乗っていないがとある国の王子が現れた』
(((乗ってないんかい!!)))

 子どもたちが面白そうに見てくれているだけマシなのだが、本当にすごい風景だった。
 真っ赤な髪と、真っ赤なマントを身に纏った男が周りにも影響を及ぼすほどに暗い空気を振りまきながら舞台にあがって来たのである。

「怖い」
「怖い」
「怖いよぉ……」
「子どもに悪影響」
「俺より子どもに悪影響なの見せたヤツいるだろ」

「『…………どうかしたか?』」
「『あなたは……?』……思ったんだけど、王子の台詞真白に言わせた方が良かったんじゃない?」
「『フェニックス国の千破矢だ。そちらは?』それ俺も思った」
「『僕たちはこの森に住む小人。こちらは白雪姫で……。』でも代わりに千破矢が白雪姫になったら、“白雪姫”じゃなくて“灼熱姫”になりかねないよね」
「「「ふはっ」」」

『……白雪姫を助けるにはどうするか、知っているか?』

 ナレーションの唐突なる質問に、子どもたちは笑顔で

「はーい! 王子様のキスー!」
「なんかひつぎがガコンってなってリンゴがとれるやつー!」
『そうだな。今回は“王子様のキス”の方だ』
『——そしてなんと、魔女が王子になりたいと言いだしたのである!』
「「「はぁ!?」」」

 舞台裏で鈴芽が真っ黒な笑みを浮かべている。豪雷と鈴芽の2人で考えた王子選抜戦。
 千破矢と鈴芽に便乗して、詩音までも参加し、「これは色々とヤバい」と察した蓮が参戦し、風蘭は慌てて豪雷のもとへ向かう。
 子どもたちはそちらに視線を寄せ、日向は棺を舞台の端っこまで避難させ、真白に話しかける。

「……本当にごめんなさい」

 真白は気だるいそうに起き上がり、真顔で日向に尋ねる。

「僕は、どうしたら良い?」
「結果を受け入れて下さい、としか……」
「……そうか」
「本当に、ごめんなさい」
「いや、君のせいじゃないから……」

 真顔だが心身ともにズタズタな真白と、非常に疲れ切った表情の日向。
 ——この後の結果に関しては、何も語らないでおこう。