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Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.48 )
日時: 2015/01/29 14:59
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


「使いは全て始末されたか」

 男は漆黒のマントを風になびかせ、配下に命令する。

「だが、お前なら怪しまれることはないだろう。……結果は“私に”報告するように」
「……」

 配下が去るのを確認すると、男は鮮血の色をした髪を掻き上げ、星1つ見えない夜空に視線を向け——

「——デジェル、いるか?」


 *


 カメラのデータを一部を残して全削除すると同時にガタン、と真白は椅子をたつ。

「よしバイト探すぞテメェら」
「……また入れ替わったの!?」
「……まじかよおおおおおおおおお!?!?!?」
「本当なの!?」

 午前6時から教会に響く声に、千破矢が回し蹴りを披露する。

「まあ、あの魔法はあくまでも一時的ですからね」
「テメェ……」
「ちなみにどこから変わったんですか?」
「千破矢は機械操作が苦手である。おそらく椅子から立ったところだろうな」
「なんで本人の記憶が曖昧なんだよ」

 千破矢(in真白)は悠長にお茶を飲み始める。すると窓から風蘭が飛びこんで来る。

「「「!?」」」
「あのねあのねっ、大変なのぉ!!」
「風蘭、深呼吸」
「すぅーはぁー……。……えっ、ましろんなの!? 入れ替わっちゃったの!?」
「深呼吸!」
「ふぁいっ!」

 千破矢にダイブする風蘭と、それを見てムッとしてしまう詩音。
 数分後、やっと風蘭が落ち着き、ポケットから折りたたまれた紙を取り出す。

「あのねっ、なんかね、えぇと、これ見てぇ!」
「「「「「丸投げ!?」」」」」

 風蘭が千破矢に紙を渡し、千破矢が折りたたまれたそれを開く。

「……『速報。“魔王がついに……!?”近頃、魔物などの類が勢力を上げて来ている。これは魔王が本気を出し始めたのか!?』。『緊急。吸血鬼募集。報酬は——』!?」

 その紙を机の上に置き、風蘭をひきはがす。

「えー!?」
「魔王が本気出したのかぁ……」
「なんだか、Satanが本気を出したってのは違う気がするんだよねぇ……」
『まおう=といふぇる?』
「それは違うだろう」
『まもの=といふぇる?』
「正解」

「いや待て吸血鬼っておい。吸血鬼って……」
「私、吸血鬼ですよね?」
「「「本人に聞かれましても」」」
「吸血鬼募集。行くのか?」
「……行ってやりますよ」

 詩音が内容を読んでから不審そうな顔をする。真白(in千破矢)はどうしたんだと紙を覗き込む。

「……」
「……え゛?」

≪報酬は百万(1日分)。ただし失敗者には“死”あるのみ。絶対の自信がある者は、本日9時に教会前≫

「……シオン。悪いことは言わん。行くな」