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Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.49 )
日時: 2015/01/29 16:21
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


「参加者はあんただけ?」
「そのようですねー。で、どんな仕事なんですか? 内容によっては帰らせて頂きますが」
「殺人?」
「さようなら」
「嘘だよっ!」

 千破矢と豪雷を根性で言いくるめて詩音は時間にここに来た。
 即答で断る詩音に、クリーム色の髪の少女は本気で焦る。

「じゃあなんですか」
「患者さんを助けて!!」
「……それ、吸血鬼ではなくエルフなどに頼んだ方が良いのではないでしょうか」
「それじゃダメなのっ! エーテルが強すぎて……、アタシじゃもう、どうすることも出来ないの……」

 ——面倒臭いことになりましたね。心底そう思い、詩音は溜め息を吐く。

「よく分かりませんがとりあえず、互いに自己紹介をしましょう。……屋根のある場所で」

 前ほどの土砂降りではないが、小雨すらも気にしてしまう詩音に少女は苦笑してしまう。
 とりあえず教会の中に入り、少女はふわふわのロングヘアを犬のように振る。

「……犬ですか」
「いっ、犬じゃないもん! エルフだもん!」

 ——ああ何ですかコイツがそもそもエルフだったのですね。
 少し納得しながら詩音は自己紹介。

「私は西園寺詩音と言う者です。種族は知っての通り吸血鬼。今は仲間と旅をしております。金欠です」
「アタシはアルマ・ソウル。エルフで、この集落で医者をしてるの」
「医者、ですか。で、その医者すら助けられないものを私が?」
「吸血鬼じゃないとダメなの! ……エーテルを吸い取ることが出来る、吸血鬼にしか……助けられないの」

 そしてその様子を(渋々)見張っている人物が1人——豪雷だ。本来なら千破矢か真白に頼みたい所だが、どちらも取り込み中→一番付き合い長い豪雷、という現状。
 残りメンバーはもちろん2人の入れ替わり解除の原因を突き止めに行っているわけだが、もしかするとここで解決できたのでは、と突っ込んではいけない。

「ではあれですね。紙に書いてあった、失敗者にはの話は私ではなく相手の方なんですねとんでもない話ですね」
「うぇ、たしかに……。って、そうじゃなくって!」
「はい、エーテルが云々って言ってましたね。残念ながら私、無差別攻撃は得意ではないのです」
「攻撃じゃなくて治癒だよお……!」
(もうこいつら斬っても良いだろうか……?)

 呆れる豪雷と、アルマで遊び出す詩音と、それを本気にしてしまうアルマ。
 バイトと言う名の人命救助的なやつはそろそろ始まる気がする。