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- Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.51 )
- 日時: 2015/01/30 11:58
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「——ああもう! いねぇじゃねーかよ!!」
「落ち着け千破矢。ついさっき出て行った所だ。それに、詩音と豪雷の気配もあったから、おそらくそう言うことだろう」
「どう言うことだよ!?」
「あー、つまりこうでしょ? シオンのバイト場所はここ」
少し間をおいて、真白が再び叫ぶ。
「いや、俺の体でも探知出来るんなら言えよ!!」
「やってみたら出来たから……」
「尚更言えよ!」
「……」
「いってェ!?」
ついに無言でみぞおちを狙いだす千破矢。
鈴芽と日向が止めに入り、蓮はあくびをしながらその光景を眺め、風蘭は——
「あ、本当だ! シオンと一緒に女の子が走ってる!」
空を飛んでいる訳でもない——自身の風魔法に確信を持っていた。
「さらに言うなら、その先にはまた厄介なのがいるな」
「じゃあ早く行った方が——」
「いや、あっちに行けば僕の——真白の体が危険だ」
「なら俺以外で行けば——」
「そこに襲撃が入ったら、お前止められるのか?」
「っていうか、あの2人のことだし、なんだかんだで“厄介なの”をなんとかしちゃいそうだよね」
「「「それな」」」
*
「あ」
「ひゃっ!?」
詩音が砂漠のど真ん中で立ち止まり(浮いているが)、アルマが何事かと詩音を見つめる。
「忘れてました。豪雷、大丈夫ですよー」
謎の笑みを見せて後ろを向く詩音に、アルマは思った。——大丈夫かな、この人。
すると、数メートルほど後ろの岩陰から、刀を半分ほど抜こうとしている鬼——豪雷が出てくる。
「そんなに怒らないで下さいな。さすがにこの先をあなた抜きで行くのは無理ですので」
「お前なら出来るだろう」
「だって、さっきの紙に書いてあったでしょう? 魔物の類が勢力を上げてる、って」
「……はぁ。俺は構わんが、そいつはどうするのだ?」
アルマは怯えたように詩音の後ろに隠れ、びくびくと震えている。詩音は地面におりると、苦笑しながらアルマの頭を撫でる。
「この方は少々……というか大分怖いですが、私の仲間でとても良い人です。患者さんを助けるため、一緒に行っても良いですか?」
「……うん」
「——とのことです」
「それで良いのか」
「ええ。それに、もう見えますからね、走りましょうか豪雷」
「はぁ……」
シオンはアルマを抱え上げて浮遊した。