コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.56 )
- 日時: 2015/02/04 20:29
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「フリーゲさーん!」
「? ああ、出雲さんに十六夜さん。どうかしたのですか?」
「えっと、今夜出発するので準備と挨拶を」
「それはそれは。ぜひ、子どもたちにも挨拶をしてやって下さい。この前の劇は、子どもたちにとっても勉強になったことでしょう。本当にあなた方には感謝しております」
あのカオスな劇——先日のアドリブだらけの恐ろしい劇を思い出し、日向は思った。それは戦闘技術を学んだということでよろしいでしょうか、と。
部屋に戻ると案の定2体のロボットが「おかえりなさい」と声をそろえて迎えるが、蓮はそれを軽くスルーし、指示を出す。
「2人……2体?とも、お馬さんたちに餌をあげて来てくれる?」
『『あい!』』
「扱いェ……」
これを見たら真白はどんな反応をするだろう——いや、普通に無反応か。
2体がニンジンを3本ずつ持って出て行くのを見送ってから、2人はせっせと準備を開始した。
*
数時間後、何があったのかもとに戻った千破矢と真白はアルマと休憩。風蘭はそろそろ起きる時間。詩音は充分に採らせて貰った“魔力”を球体に具現化して観察。鈴芽はうんうんと唸りながら、瞑想(?)をしている。
なお、1名意識は戻らず、もう1名は起きている。
「とりあえず、恐らく苦手魔法を酷使する馬鹿にこの魔力をわけてやりたいところなのですが……やめておきましょう」
「……」
「どうかしたのですか? 私はどうかしますけど」
「なんでもないよ。どうかする、って。聞きたいことでもあるのかい?」
「それはもう、沢山ありますよ」
魔力の塊を床に置いた詩音が微笑むと、青年は苦笑して起き上がる。
「答えられる範囲なら、どうぞ」
「ではまず、お名前は? 先に言っておきましょう。私は西園寺詩音、と申します」
「五月雨」
「下の名前は?」
「オオカミと書いて、ロウ。五月雨狼。獣人だ」
はっと起きた風蘭が、目の前の光景(尋問)と詩音の真顔を見て、本能的に危ないと察したのかさっさとその場を離れ、千破矢と真白を見て迷いなく真白に飛び付いた。
「ましろん! 戻ったんだね!」
「ああ。詩音は……うん。もう、何も言わない」
「真白よくやったよく我慢できた」
「何これ……?」
抱き付かれる衝撃に全く動じず、何か言い掛けたが止めたことにより千破矢が頭を撫でて褒める。という、訳のわからない状況にアルマは驚愕する。
詩音は狼と、もはや睨み合うかたちで話していた。
「——で、最後によろしいでしょうか?」
「答えられる範囲なら、ね」
詩音は魔力の塊を片手で持ち上げ、“確信”を持って質問をする。
「この魔力。……あなたは、魔王関連ですか?」
「……なんだ。——ハハッ」
「——わかってるんだったら、聞くなよ」