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Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.62 )
日時: 2015/02/08 07:09
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: 慣れない左手キーボード(無謀)


「はい、閑話休題。どうするのさ」
「仕方ないから、あたしの実家に行こう」
「「「は?」」」

 鈴芽の発言に全員が疑問を浮かべる。

「本当は行きたくないんだけど残念なことに、バンシーらへんは呪いの類がbe goodなんだ」
「ああ、そう言えば先日、そこ曲がったら風蘭の羽を毟り取るとか言ってましたね」
「Yes」

 詩音は手を椅子に縛り付けられるかたちだが一応解放され、思い出したように呟いていた。
 そして豪雷は今まで黙り込んでいたが、一番近くにいた真白に何かを耳打ちする。真白は軽く頷くと、豪雷とともに席をはずす。

「2人とも、どこ行くの?」
「む……」
「確かめたいことがある。鈴芽たちのところへどうやって行くか、決めておいてくれ」
「え、荷車じゃダメなの?」
「運転手が患者だぞ」

 溜め息混じりに階段を上がる2人を見送り、一同(何故かアルマも含まれている)は話し合いを再開した。
 豪雷と真白は先ほどの事件があった場所へ移動。

「……血は残っているか」
「まあ、傷跡は綺麗サッパリだが……ん?」
「気付いたか」

 真白は壁を見つめて疑問を抱く。
 詩音の怪我は右腕だけだったはず。なのに、壁にはべったりと血痕がへばりついている。

「これは……詩音のではない」
「ああ、恐らくあの男性のものだろう」
「ふむ……。まあ、狼が呪いの元凶だろうな」
「真白は、呪いの条件を知っているか? 特に、詩音の背にあったあの種」
「うん、わからない」

 自分の脳だけではもうわからなくなって来た真白は目を閉じて話を聞き始める。

「……呪いにはいくつか種類があり、そもそもの話、“祈り”が“呪い”となる。
 だがこの手の呪いは雷獣も、“威嚇”として使うことがある。同時に“洗脳”能力もある。だが、それを発動するには条件がある」
「条件?」
「ああ。それは、対象が自身の魔力・エーテルに触れたことがあり、自身により傷を負っていること」
「……なるほど。つまり、詩音は条件を完全に満たしたのか」

「では、この血は?」
「印だろうな」
「……印?」
「詩音の体がおかしくなる直前、何を言っていたか覚えているか?」
「魔王関連だとかなんとか言っていたな。……ああ、そう言うことか」
「まあ、そう言うことだろうな」

 真白はその場で苦笑し、

「僕らの知名度、大分上がってるんだね。原因はそれだけじゃないだろうが、な」

 申し訳なさそうに呟いた。