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Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.67 )
日時: 2015/02/15 10:24
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


 そんなこんなで複数——3ヶ所の入口にペアを組んで突入する。……いつもとは違うペアで。

「頑張ろうねっ」
「うん!」

 ——蓮と風蘭、千破矢と日向、詩音と真白。という、1ヶ所だけやたら強いペアが完成していた。
 詩音は「こういうところにトラップは付き物らしいので、何かあったら飛ぶ、燃やすなど、好きにして下さい。地雷だったらまあ、頑張って下さい」と言っていた。ペアが変なことになったのはコイツが原因である。
 そして崖を掘ってつくられたような建物の入口となる隠し扉を蹴り飛ばし、申し訳程度に「おじゃまします」。そんな真白は詩音と話しながら一方通行の道を進んで行く。

「何故、僕にしたんだ?」
「誤解を招く言い方ですね。だってあなた、この前何かあったのでしょう? 千破矢も気付いているようですが、敢えて黙っているようなので、代わりに私が首を突っ込んだまでです」
「……はぁ。お前も千破矢も、変なところで勘が良いから困る」
「それは褒めているのですか?」
「な訳ないだろう。聞きたいか?」
「勿論。仲間ですから」

 真白はマフラーの端をぎゅっと握って、渋々話し出した。その際に爆発音がしたが2人は完全無視だったという。
 そして千破矢と日向。千破矢は真白と同じく隠し扉を蹴り破った直後、その扉を燃やして日向の腕を下手したら引き千切ってしまいそうな勢いで掴んで走り出していた。

「痛い痛い痛い痛い痛い!?!?!?」
「そんなことないっ! 俺がいたくねえからお前も痛くねェ!!」
「何それジャイアニズム!?」

 「お前の物はおれの物」的なあれである。尤も、腕が千破矢の物になったら燃えかねないが……。
 角を曲がる直前で、千破矢は唐突に腕を解放して飛躍。

「シュプレンゲン!!」
「えっまっいやああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 ——角から待ち伏せしていたらしい女性を炎を纏った足で蹴り飛ばしていた。その際の爆発音は恐らく豪雷と鈴芽のもとに届いたのではないだろうか。
 その頃蓮と風蘭は、謎のトラップと遊んでいた。……遊んでいた。

「うわあ! これ、凄いよ! ふわふわしてる!!」
「え? あ、本当だ……。マシュマロかなぁ」

 2人に遊ばれている巨大化したマシュマロのような物体。実は吸血鬼が触れると爆発する仕掛け。だが残念なことに、ここに来たのは妖精と人間。ただのおもちゃでしかない。

「これ、どうしよう?」
「そうだね。多分なんかの罠的なヤツだし、重そうだから置いて行った方が良いと思うよ」
「うん!」
「よしよし。じゃあ、塔の上のラプンツェルならぬ、崖の上のラプンツェルな2人を助けに行こうか!」
「おー!」

 崖の上の●ニョ……ゲフンゲフン。
 その時彼らは知らなかった。最上階で、2人の男女がその光景を見ていることに。