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Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.69 )
日時: 2015/02/19 23:35
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


 真白は手当だけ終わらせ、詩音に青年を担がせて再び歩き出す。

「あの、私別に荷物運びとかそういうのじゃないんですよ?」
「僕は人を担ぐとか抱えるとか、そう言うのは出来ないんだ」
「何故?」
「重いから」
「は!?」
「……詩音の方が身長的にも妥当だな、と。まあ、それだけではないが」

 つまり重いということだが。

「にしても、早く起きてほしいものですね」
「眠い……。先に言っておくが、このタイミングで何か出て来ても、その人落として戦闘参加するなよ?」
「えっ」
「えっ」

 数秒後、真白は色々と察して話題を変えた。

「体は大丈夫か?」
「は? あ、はい。大丈夫です。なんでしょうね、禁句とかあるのでしょうか?」
「そうだな。とりあえず、前と同じ症状が出たら言ってくれ。そして腹パン入るまで耐えろ」
「サンドバック確定!?」

 すると、廊下の奥の方から何かが来るような音が聞こえ出した。そして——

「……うわああああああああああああ!!!!」
「ぎゃあ!?」
「……おはようございます」

 白衣の青年お目覚め。その際に詩音はビビって結果的に青年を落としたが。
 直後、真白が目の前に氷の壁を張り、砕け散る。

「……はずした」
「いや、防御したし……」

 少しはねた朱色の髪を押さえながら、片手に自分の身長ほどの大剣を持った少年が、初っ端から謎のボケをかます。

「俺は楓。お前らを倒せーって、上から連絡があってさ」
「では、返り打ちにすれば良いのか?」
「……やっぱ、1人で来なかったら良かった。戻ろ」
「戻るの!?」
「……だめ?」
「駄目。逃走、駄目、絶対」
「それなんか違いますよ!?」

 青年に相手を認識させないように詩音は(最後の)良心を振りしぼり、突っ込む。

「むう、だめか……。どっちの方が強い?」
「そりゃあまあ、断然白い方です」
「紫は正直強いが這い寄る混沌のように回りくどいぞ」
「言い方!?」

 ニャルラトホテプ(這い寄る混沌)は自分で潰せる相手を自滅に追い込んだりするらしい。作者はそんなニャルが大好きである。というかクトゥルフ大好きである。以下略。

「時間がかかりそうだから、紫の方で」
「強さ関係ないですよそれ!」
「いや、だって俺、強いし。なんていうか——」

 真白はこのタイミングでこの後の展開を察し、青年のもとへ後退する。
 一本道の奥から、風が流れ込んで来る。

「——負けそう! って感じが最高に良いよねッ!!」

 今までのぼんやりとした感じとは一変。楓はにやりと笑い、紫——詩音に斬りかかった。
 真白は思った。——サディストな詩音とマゾヒズムな楓、鈴芽に言ったら喜ぶ展開なのだろうか。と。