コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: EUREKA ( No.7 )
日時: 2014/12/16 18:04
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


 ——ネタばれをするとここは、2人1組で入ればどこだろうと敵はおろかトラップ一つないただの洞窟になるのである。

「ふぁぇ!?」
「あれ?」

 風蘭と日向はお互いの姿を見て<?>マークを頭に浮かべる。もっとも、風蘭の場合は<!?>だが。

「えっ、別の所から入ったよね……?」
「はい。本心を言うとあなたがたを追いかけたかったのですが右から2番目に入りました」
「待って怖い」

 なんと(と言ってもよくあることだが)、右の2つは内部で合体していたのだ。
 ちなみにもう一方では鈴芽と豪雷が、真白の通ったであろう獣道(ただし地面に2メートルおきくらいに足あとが残っているだけ)を見つけ、鈴芽のみ状況を察した。

「でも、なんでだろう? 何にもないよ」
「案外罠かも知れないよね」
「あっ、出口だー!」
「……」

 そのまま走り出す風蘭を詩音は止めなかった。理由は簡単。詩音はここがどこなのかを思い出してしまったからである——。

「私、帰って良いですか?」
「どの家に? 何かあるの?」
「ええ、とてつもなくヤバい種族がいます」
「じゃあ風蘭を連れ戻さないとっ!?」
「いえ。そこに関しては問題ないです」

 詩音は溜め息と同時にスミレ色の後ろでくくられた髪をほどき——

「私はここから女です」

と、いつもより声を高くして2人に笑いかけた。

「えーっと……。とりあえずヒナタも女の方が良いのかな」
「まあ、ヒナタはそもそもが女子力の塊なので大丈夫でしょう」
「ふぁっ!?」

 争いは苦手、心優しい、髪の毛長め。実際実質、この作品のヒロインである。
 さて、洞窟を抜けたさきには——緑が茂る草原、バラで飾られた草の家……の、周りをうろうろとしている膝くらいの高さの化け物。

「えー……」

 しかもその生物と風蘭が遊んでたり。鈴芽はとても良い笑顔で歌っていたり。唯一困惑しているのは豪雷だった。千破矢と真白がいないことに関しては、今は忘れて下さい。
 そしてその生物、既視感がある。

「えー、キミたちがー、えー。ボクらはホモォ族。ここでなんか色々してるんだ」
「へぇ……」

 ホモォ族の見た目は、予想を裏切らないまでの┌(┌^o^)┐ である。
 鈴芽が喜びそう(と言うかおそらく喜んでいる)な種族である。

「えっと。私たち、友だちを探してて……」
「あー。赤毛の子? あと真っ白な髪の——」
「真白おお!?」
「そしてそこの武士さんもそろそろ連れて行こうかと——」
「豪雷ィィ!?」

 ホモォ族の言葉を人の名前で遮る蓮。
 そこにいつの間にか先ほどまで髪の毛をしばっていた紐(リボン?)をカチューシャのようにした少年……ショウジョが笑顔で問う。

「あの、私たちはみんなで旅をしてて。ここで戦力を失ってしまっては、とても困るのです。どうか、ここはお引き取りを……」
「むぅ? キミ、ここに来たことがあるのかい? なんだか見たことある気がするなあ」
「ありません初めてです見間違いですよ」
「そうかあ。まあ、仕方ないよねー。わかった、ついて来てー」

 その時蓮は思った。——あ、シオン。ここで酷い目に遭ったことがあるんだな。