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Re: EUREKA ( No.72 )
日時: 2015/02/24 23:05
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: 真白の動きすらサイコロで決める作者((


 楓の剣が詩音を狙うという、一方的な攻防が繰り広げられる。真白の援護は時々はいるが、それは命中する寸前。意図はわからないが、真白本人は戦闘に参加したくないらしい。
 そして詩音は、楓の攻撃をかわしながら“別の”戦いも両立させていた。

「っ、いい加減に諦めて下さいよ」
「ごめん、本当は俺らもこんなことしたくないんだけどね。上からの魔王様の命令って言われてるからさ」
「魔王……?」

 次の瞬間、唐突に詩音の体は硬直してしまう。

「ここで……!?」
「ふうん。紫の方の子は、五月雨さんに会ったことがあるんだね?」
「……それが、どうかしましたか?」
「五月雨さんはね、都合が悪いことがあったら必ずそいつを呪って来るの。そう言えば昨日そんな感じの連絡入ってたね」
「タチが悪いにもほどがありますよそれ……ッ」
「まあ、それを治しにここに来たんでしょ? ついでに教えてあげるよ。その呪いね、魔王軍のワードに過剰反応するんだ」
「最悪じゃないですか!?」
「……紅葉、どうしたら良い?」

 ああ、待ってたんだね。そう呟いた紅葉は「いつも通りで良いよ」と続けた。
 そこで初めて真白は動き出す。

「ねえ、この人本当に倒しちゃって良いの?」
「はぁ?」
「呪いをかけるということは、“これは自分の獲物”という意味もあるそうだ。それを奪うことは、つまり狼にとっての“都合が悪いこと”ではないのか?」
「それは、命乞いのつもり?」
「否。我は実際今命の危険ではないし、その気になれば詩音を連れてこの場を脱出する自身もある。
 言いたいことを要約すれば、“詩音を殺したら、最悪の場合2人は互いの名を呼ぶことすら不可能になるかもしれない”と」
「「……」」

 ほぼ論破に等しいが、考えてみるとハッタリだらけである。
 そもそも別に“これは自分の獲物”なんて考えは真白の価値観である。狼に通用するかなんてわからない。そして、確かに狼は腹黒いが、流石に戦力を奪うような真似はしないだろう。多分。
 なお、その気になれば詩音を連れてこの場を脱出することが出来るのは事実。

「……じゃあ、こうしよう。紫も白も五月雨さんも仕留める。そしたらそんなことないでしょ?」
「「わあ駄目だこのブラコン」」
「うん。そしたら、邪魔者もいなくなるね」
「「こっちも重症(シスコン)とのこと」」

 SMでシスコンブラコンな双子(公式)。
 ちなみに楓の剣は詩音の上に構えられたままである。

「良いのかな」
「良くないです」
「紅葉」
「良いよ」
「——ッ!」

 楓が剣を振りかぶる瞬間、詩音の体に異変が起こった。いや、起こってしまった——