コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.73 )
- 日時: 2015/02/25 22:55
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 描写出来ない→したくない
突如詩音の体が動くようになり、前に倒れかけ、とまった。
パキン、と何かが音を立てた。
「ちっ。……まあ、今回はとりあえず、使ったから良いだろ」
にやりと笑うのは、詩音——否、“詩音だが詩音ではない何か”。
軽い足取りで“それ”は楓の目の前まで来る。
「——」
次に紅葉と真白が目にしたのは、その場に倒れる楓——その傍らで転がった、首——。
「 」
「……ぁ」
もはや言葉も出ないのはどちらも同じこと。
その間も“それ”は行動を続け、伸ばした爪を構えながら次は紅葉の前に立つ。
「どーする?」
「ぃ、や……。楓にーちゃんのいない世界なんて、耐えられない……」
紅葉は自分の剣を自身の肩に当てる。力を込める瞬間、“それ”は爪で紅葉の首を撥ねた。
「セーフ。じゃあ、ついでにお前もいっとく?」
「……」
笑顔で振り返る“それ”に真白は顔をしかめた。
「……とある話では、“名を名乗ってから出陣する国がある”と聞いた」
「ああ、戦国時代とか言うやつ?」
「それ。やってくれないか?」
「えっ、それで俺の情報聞き出したい感じ?」
「当たり前だろう。それしたら闘う」
「しっかたないなぁ」
やれやれという仕草をしながら“それ”は近付き、
「俺はシルア。詩音の人格で、護るのが使命、的な? まあまあ、自己紹介はしたよね? さっさと死になよ」
「僕の、聞く?」
「由利真白、女、14歳、氷族。だっけ? 詩音はそう記憶してるけど」
「記憶の共有が出来るのか?」
「俺はね。詩音は俺の記憶持ってないからわかんないよ。俺がお前を殺してもね。うん。早くしよ?」
結局戦いを避けることは出来ない真白の宿命(不運)。
真白は実際先ほどの戦いは「首かっ斬られかけた時のトラウマ」のため、問題ない——対象が仲間。
「……とりゃあー」
「!?」
気だるげな声とは正反対に俊足で突っ込んで来る真白に、(ある意味)ビビったシルアはモロに体当たりを喰らってしまう。そして最後(早い)の一手。
「フロッケ」
地面に押し倒して捕縛。やはり神仏などではなかった。とんでもない鬼畜軍人である。
ちなみにキャラ崩壊はわざとなのでご安心を。
「多分、まだ終わらないとかそうなるんだろうが、早く戻れ」
「……ちぇっ。女に押し倒されゲフンゲフン。良いけど、大丈夫?」
「知らん。今度また2人になった時は、面倒なことをするな」
「気付いてたのかぁ……。ま、どっちにしても俺の存在は秘密な」
「善処する」
真白が詩音から離れると、シルアは不敵な笑みを浮かべて目を閉じた。
まわりの空間が歪み、気付けば楓と紅葉、詩音はその場で倒れていて、真白のみその場に立っている状態。2人の首は離れていない。
近くで何かが壊されるような音が響く。
「……どう説明しようか」
詩音の爪に付いた血痕を見ながら、真白は溜め息を吐いた。