コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.76 )
- 日時: 2015/02/28 11:38
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
時は少し前に遡る。
ちょっとまあ色々あり、豪雷が檻を盛大に破壊したところから始まる。
「oh……」
「何をしている。行くぞ。……まあ、そう簡単にはいかんだろうが」
「まあ、あんなacoustic emissionを……ねぇ?」
あんな破壊音を出したんだから、絶対誰か来るだろう。と、そう思っていると、案の定バタバタと何人もの足あとが聞こえて来た。全員女なのに関しては、バンシーと歌姫の村(の崖沿いの牢屋)だから仕方がない。
「何? 今の音は……!?」
「牢屋が破壊されてる……! どう言うこと!?」
2人の女性が牢屋の中へ足を踏み入れ、さらに驚愕することとなる。
——謎の雷を纏いながら一歩ずつ近づいてくる豪雷に、鈴芽すらも引いている状態。
「……あぁ、鈴芽様。これはいったい?」
「あー、やあ。久しぶりだね、蘭、林。How about you?」
「え、あ、お、覚えていてくれたんですか!?」
「of course! えっと、あたしもよく分かんないや。っていうか状況がわかんない」
「あ、そうですよねっ。えと、私たちもよくわからないのですが、お婆様が——」
話によると、お婆様——村長に当たる人物——が鈴芽が逃亡したことにより本格的に“真実”を求めるようになる。その結果、“魔王が真実を持っている”という話を聞き、言いなり状態。とのこと。催眠でほとんどの村人を洗脳しているそうだ。
——めちゃくちゃ知ってるじゃないですか。
「——あと、私たちは洗脳に耐性があるので問題ないですよ。そちらの方の刀もあずかって参りました。鈴芽様の武器のような物は、お婆様が持って行ってしまわれましたが……」
「豪雷! えーっと、なんていうんだろ。じゃぱにーずそーど? まあいいや。君の刀が返ってきたよ!」
「本当か? ……誰だこいつら」
「話聞いときなよ。ザッと説明するとあたしたちの敵じゃないよ、ってこと」
豪雷は頭にいくつかのクエスチョンマークを浮かべながらもとりあえず礼を言いながら刀を受け取った。
すると、女性たちの後ろの方から複数の足音が聞こえて来た。
「……お逃げ下さい。私たちは、鈴芽様の幸せをいつでも願っております!」
「えっ、ちょ、……いや、豪雷、うん。内容によってはそれ抜いて戦ってね」
「お逃げ下さい!」
「いや。あたしたち……ていうか、豪雷が強いから大丈夫!」
「当たり前だ」
だってあたしたち、バンシーと歌姫に用があるんだもの。そう思いながら鈴芽は、マイクを持たずに前へ出た。