コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: EUREKA ( No.79 )
日時: 2015/03/03 21:22
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


 角からおよそ5人の女性がとび出して来た瞬間——

「リート。——みんなーっいっくよぉおおお!!!!!!!」

 鈴芽の声が響いたが、近くにいた豪雷よりもその後ろにいた2人の方が耳を押さえている。

「?」
「さっき少し制限してさ。自分と同じエーテル属性(?)じゃないと効果がないんです☆ 下手したら鼓膜吹っ飛ぶよ」
(下手したら後ろの仲間の鼓膜吹っ飛ぶがな!)

 とても良い笑顔で振り向く鈴芽に、豪雷は言葉を失ったという。

「な、何の音……声? っあいつ、出て来たの?」
「というか、その後ろの……。林、蘭。裏切ったの!?」
「誰も……。誰も、あなた方の仲間なんて言ってません!」

「何やら喧嘩のような雰囲気だが?」
「んーまあ、仕方ないね。あ、豪雷はこの中で歌姫とバンシーの違いわかる?」
「……奥の老婆は完全にバンシー。それ以外はハーフ、ってやつか? お前はややバンシーよりだが、同じく」
「もしかしなくても豪雷ってESPでしょ」

 図星のためそう言われても仕方がない。
 少しして、全員角から出て来たところで別の来訪者——ポートグリフである。最初は壁を突き破り出て来たが、鈴芽と豪雷の前に来ると

「久しぶりだね鈴芽ええええええええええええええ!!!!!」
「ひぎゃあっ」
「な、何だ!?」
「えっと、こちらは? ああ、君が猿谷豪雷くん?」
((情報が豊富ですね))

 ポートグリフは豪雷の手を握ってブンブンと振り、何かを呟いた。すると、ポートグリフを中心に風が集まり、気が付けばその姿はまさに——グリフォンそのもの。

「……」
「えーなになに。thank you! 豪雷、乗って乗って! 蘭たちも来る?」
「いえ、私たちは……」
「じゃあ、絶対に村に戻って来てね?」
「「はい!」」

 2人がグリフォンの背中に乗ると、突き破って来た壁を通ってその場を去る。せっかく来たのに5人とも放置である。まあ、交戦するが。
 ——その後、グリフォンがもとの姿(?)に戻るのはこの数10秒後。豪雷の刀が盛大に役に立ったという。