コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.92 )
- 日時: 2015/03/14 21:37
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「いやいやいやいや」
「なんだ?」
「なんだってお前、さっきぶっ倒れたじゃねェか」
「そう言われても……。起きたらいつもはっちゃけてるやつがすすり泣いてるんだぞ。蹴り飛ばすしかないだろ」
「理不尽だァァ!!」
(なんだかんだでこの2人、仲良いんですよね)
朝っぱらから意味不明会話をしている2人に、詩音は苦笑する。ちなみに真白はあのくらいで気絶なんてしているはずもなく、寝ているふりをして2人の話を聞いている——という状況だったのだが、本編に言うほど関係があるかと言われれば大分関係あるかもしれないが、サイコロの結果に全てが掛かっている。
すると、鈴芽が詩音の服をガシッと掴み起き上がった。
「Hello! 時間的に早い? ノンノン、そんなの関係ないよ♪ 今日は朝っぱらからすっごいもの見ちゃったからね!! うん、あたし元気! I'm fine!!」
「……もう一度ダウンしますか? 永久に」
「Oh……遠慮しておくよ」
鈴芽がそう言いながら詩音の方に豪雷を押し始める。
「……何するつもりですか」
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「「「気持ち悪い!!!」」」
……おそらく「ふふふ」=「腐腐腐」だろう。
そうこうしていると蓮が風蘭をおんぶして窓から侵入してくる。「ただいま」と言いながら地面に着地し、風蘭をその場におろしてから運転席へ飛び込んだ。詩音が風蘭に何があったかを聞く。
「えっとね、びゅうって変な風が吹いて、なんかこの前のすずめの住んでたところとは違う感じの? ふぇ? なんていうのかなぁ……」
「……つまり、コギク村とはまた違う雰囲気の悪寒があったのですね?」
「そ、そうなの!」
(((ごめん、ぜんっぜんわかんなかった……)))
「まあ、この辺ならば仕方ありませんね」
ある意味両思いだからなのか、これも吸血鬼の能力なのか、理解してしまっている詩音に、話を聞いていた全員が心の中で突っ込んだ。言ってしまえば風蘭が泣いて詩音が激おこぷんぷん丸という厄介なことが起こるのは全員わかっている。
蓮はニベアとフェルームの間に座って、日向に事情を説明していた。
「上にいたら、風蘭が変な風が吹いてるって。何だろうと思ってその辺見回したら、その道まっすぐ言ったところに変な街があるんだよ」
「えっ、何それどうすれば良い?」
「知らん。あと、下でもなんか変な風がなんたらかんたら言ってたけど、知らない?」
「それこそ知らん。っていうか、変な街って何?」
「うん、それがさ」
蓮は日向の隣に移動し、真正面の空を指差した。
「ほら、雲が街の上だけに乗ってるんだ」