コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.96 )
- 日時: 2015/03/16 22:13
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 6組絶対許さん(球技大会で負けただけ)
「——はい、よろしくお願いします」
詩音の(威圧の込められた)笑顔で全ては決まった。
そもそも最初は本気で街を突き抜けるつもりでいた。だが、荷車を盗まれてしまい予定が狂ってしまった。その後領主のでっぷりとした男性に頼み込み(というかほぼ詩音の論破だったが)、やっとのことで部屋を確保してもらったのであった。ちなみに論破の内容を要約すると、早く出ていってほしいのならば荷車盗むな攻撃仕掛けてくるな、というものであり決して脅迫ではない……はずだ。
ふたつ部屋を貸してもらい、1つの部屋に集合。
「向こうが折れてくれたとは言え、荷車がないことも、この場所が危険なことにも変わりありません。絶対に単独行動はしないで下さい」
「行ってきます!」
「人の話聞いてましたか!?」
「では詩音と同行する。来い」
「あーそうですかわかりましたよ……。千破矢ではなく?」
「だってコイツ凄い方向音痴」
「……」
「はよ」
真白が少しでも加減を間違えたらドアノブを粉砕してしまうのではないかと言わんばかりに力を込めている。詩音は慣れない髪型を弄びながら真白について行く。
「あ、誰が来ても開けちゃ駄目ですよ? 私たちが来ても。……喰われますからね」
パタン、と扉が閉まる。千破矢が扉に鍵を掛けたのは2人の足音が廊下に響きだした瞬間だった。
「何かあったのですか?」
「荷車回収しないと。忘れてるのか知らんがあの中まだ人いるからな?」
「あー……。いましたね」
「とりあえずお前は戻ったら罰ゲーム」
「今の格好が既に罰ゲームですけどね」
「……まあそうだな。仕方ない。豪雷とホモってろ」
「!?」
尤もこの格好だと普通のリア充(?)なわけだが。
荷車の中に取り残されたロボ二体だけでなくカインを救出しに行く。ただし荷車は“あわよくば”というのが現実。フォローすると、人命>荷車。
場所は特定されており、あとはそこに殴り込むだけ——。
「姉ちゃんたち、暇なら遊ばない?」
そしてこれである。
「……急ぎの用事があるのだが」
「じゃあ、そっちの彼女は?」
「え、私ですか?」
詩音は即座に捕まってしまい、相手は成人でさらに身長も高いため身動きが取れなくなる。
「真白、先行っといて下さい」
「お? 友達思いだねぇ」
「……、単独行動が危険だとか言ったのはお前だろう」
次の瞬間真白はその男性に、全ての種族共通の弱点へ向かって蹴りを放っていた。そのショックで腕は解放され、男性の悲鳴を背景にその場を走り去る。
「オッカナイデスネ」
「……名前も知らない変態おじさん、……ゴメンナサイ」
反省の色すら感じられない言葉がその場に投げ捨てられた。