コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.99 )
- 日時: 2015/03/20 17:26
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 一生のお願い付き合ってとか初めて聞いたよそんなの((
「……おい」
『『ぴゅー!』』
「お前ら、ここにいたのか……」
荷車を回収して戻ると、出迎えてくれたメイドの足元から出現した2体が飛び付いて来た。
カインを背負ったまま真白は溜め息を吐いてからボールを2体に押し当てる。すると2体はボールの中に吸い込まれるようにして消えてしまう。
「「あぁ〜……」」
「……オレとりあえずリンに戻るわ」
呆れた様な顔でそう言い、クロムはリンに戻る。詩音は自分も逃げようかと思ったが何されるかわからないためやめる。そして——
「あの、領主様はいらっしゃいますか?」
「はい? ああ、あの方なら奥の部屋に……」
「伺ってもよろしいでしょうか」
「ええ、構いませんよ」
心の中でにやりと笑う彼らの心情を、メイドが知る由もなかった。
真白はピッキングで扉をこじ開け、中に入ると速やかに扉を閉めて鍵を掛ける。
「大丈夫か?」
「いやいや、お前の状況も大丈夫かよ」
「至って普通だ。カインさん起きないどうしよう」
「真顔やめろ」
扉が開かれたことで驚いたメンバーだったが、真白のボケ(無意識)により少しだけ和んだ。真白はカインをベッドにおろすと、その近くに座り込んで脱力——する前に、ボールから2体を解放するのであった。
「えぇっ、今の何!?」
「……迷子防止策」
一方詩音とリンはメイドの説明通り、領主の部屋へと向かっていた。
作戦会議はここへ向かうまでのうちに完璧。あとは実行あるのみ——
「失礼します」
3回ノックをしてから詩音が室内に入る。そこでは40代程の太った男性が椅子に座っていて、詩音の姿を視界に納めると、にっこりと笑った。
「どうかしたのかい?」
「はい。とても……、とても重要な話をしに来ました」
そう言いながら詩音は両手でスカートを握る。その姿に領主は笑みを深め、詩音の目前まで迫って来ていた。
「——ふふ。こう言うの、好きなんですね。では、……あなたに恨みは相当ありますが、痛いのは少しの間です」
「は? ——」
次の瞬間詩音は領主を押し倒し、首を絞めていた。
「——がっ、は、な、何をする!!」
「……」
もがく領主を渾身の力を込めて絞め続ける。どう言うわけか、領主がどれだけ抵抗しようが詩音の身体は全く動かない。
詩音は領主を見下して睨みつけ、口を開く。
「間違いない。お前が……」
「はあ?」
「お前があの時——……」