コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 未来視少女 ( No.1 )
- 日時: 2014/12/20 23:30
- 名前: フォルテ (ID: nWEjYf1F)
私が持っている、ほんの少し先の未来を視ることが出来る力。
これは予知夢みたいに外れることがなくて、視えた未来は変えようとしない限り、必ず実現してしまう。
だけど、視えた未来は確定事項じゃない。
未来は予知できたなら、相応の行動を取ることで変えることができる。
また、たとえ直ぐには変えることのできない大きなものだったとしても、小さな影響くらい与えることはできる。
お陰で私はこの前、それで命拾いした経験がある。
それはとある冬の日のこと。
冬休みを迎えて数日経ったある日の昼下がり、私は家のリビングでゴロゴロしていた。
「いいなぁ、この服……」
ヘッドフォンから流れるリズムはゆったりと穏やかで、勉強でヒートアップした私の頭を落ち着ける。
この曲を聞いてていつも思うけど、やっぱり休日をのんびりと過ごすイメージにピッタリだ。しかもこの曲は、ただ聞いてるだけだと絶対に眠くなるので、そう考えると猫が陽だまりで和んでるイメージもある。
そんな私は大きなビーズクッションで横になりつつ、最近ママが買ってきたファッション雑誌を淡々と眺めてた。
そのファッション雑誌には季節外れよろしく、薄手のワンピースがいくつか載っている。
でも、来年を先取りしようという名目で載ってるみたいだけど、幾らなんでも先取りしすぎだろうと思った。
とは言ったものの、来年の夏あたりに着てみたいものとかけっこうあって、どれもこれも凄く可愛い。
私はまだワンピースを一着も持ってなかったので、尚更凄く着てみたい衝動に駆られた。
ママにおねだりしたら、買ってくれるかな——ちょっと淡い期待を抱いて起き上がり、私はキッチンまで移動した。
「ねーねー」
「なあに?」
ふわりと振り向いたママは、丁度お昼ご飯を作っていた。
早速おねだりしよう——と思ったその矢先にオムライスのいい匂いがして、不覚にもお腹が鳴ってしまった。
「うっ……」
恥ずかしさで、顔が赤くなるのがわかった。
あぁもう、相手は身内なのになぁ——なんでこんなに恥ずかしいんだろ。
「ふふっ、由美ったら……もうすぐ出来るからね」
「はーい」
——この後、事件が起きた。